辺野古埋め立てに奄美の土砂活用…鹿児島県知事が政府調査を容認 候補は7採石場「通常の取引。移設に県が協力したとはならない」

AI要約

塩田知事は、普天間飛行場の辺野古移設に鹿児島県・奄美大島の土砂を利用する政府の現地調査について、法令に従っていれば反対しないとの姿勢を示した。

鹿児島県の採石場や積み出し港が調査の候補になる見通しであり、移設による環境影響や住民の不安について丁寧な説明を求めている。

政府は奄美大島での調査を進め、2020万立方メートルの土砂が必要で、奄美の土砂は軟弱地盤が広がる大浦湾側に使用される予定。

辺野古埋め立てに奄美の土砂活用…鹿児島県知事が政府調査を容認 候補は7採石場「通常の取引。移設に県が協力したとはならない」

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に鹿児島県・奄美大島の土砂を使うための政府による現地調査について、鹿児島県の塩田康一知事は22日、報道陣に「法令に従っていれば反対することではない」と容認する姿勢を示した。稼働中の7採石場や積み出し港が調査の候補先になるとの見通しを明らかにした。

 県によると、採石場は龍郷町に3カ所、奄美市住用に2カ所、瀬戸内町と大和村に各1カ所。県は19日に防衛省の説明を受けた際、具体的な調査先やスケジュールへの言及はなかったとした。

 塩田知事は奄美大島の世界自然遺産地域に影響はないとし、「環境への影響、住民の不安がないよう丁寧に説明してほしい」と要望。採石を実施した場合に関し「通常の取引であり、(移設に)県が協力したとはならない。県として住民に理解を求めることは考えていない」とした。

 沖縄県は2015年、特定外来生物が土砂に紛れて侵入するのを防ぐ目的で県外からの搬入を規制する条例を施行している。塩田知事は奄美の土砂を使う妥当性を問われ、「出す側というより、受け入れる沖縄の規制に適合するかどうかになってくる」と述べるにとどめた。

 辺野古移設に伴う埋め立てに必要な土砂量は全体で約2020万立方メートル。政府は9月にも奄美大島での調査を開始し、25年にも沖縄県に搬入する方針。奄美の土砂は軟弱地盤が広がる大浦湾側に用いるとみられる。