【山口県】[周南公立大]児童相談所の理解へ無料コミック 羽渕教授らの研究グループ 作画はなかはらかぜ特任教授

AI要約

周南公立大学情報科学部の羽渕由子教授が参加する研究グループが、児童虐待と児童相談所に関する理解を広げるためにインターネットで読めるコミックを無料で公開している。

研究グループは心理学や司法面接を専門とする約10人の研究者が参加し、市民を対象にした意識調査や児童相談所の職員へのインタビューを通じて得た知見をコミック化して発表している。

コミックは児童相談所職員を主人公に据え、児童虐待などの事例を通じて成長していくストーリーであり、異なる職種の連携によってわかりやすい形で制作された。

【山口県】[周南公立大]児童相談所の理解へ無料コミック 羽渕教授らの研究グループ 作画はなかはらかぜ特任教授

 周南公立大学情報科学部の羽渕由子教授が参加する研究グループが児童虐待と児童相談所の活動への理解を広げようと、インターネットで読むことが出来るコミック「児童相談所で働きたい!!やさしい未来へ」を出版し、6月からAmazon Kindleで無料で公開している。

 作画は同大経済学部ビジネス戦略学科の知財開発コースで指導する漫画家のなかはらかぜ特任教授(68)が担当し、同コースの学生も参加して仕上げた。

 このグループは大阪大大学院人間科学研究科の綿村英一郎准教授を中心に、心理学や司法面接を研究する羽渕さんら約10人の研究者が参加。公益財団法人トヨタ財団の助成を受け、2022年9月から今年9月までの2年間の取り組み。

 市民を対象にした意識調査、児童虐待の最前線に立つ児童相談所の職員へのインタビューなどを通じてわかったことを、論文ではなく、市民にわかりやすいようにとコミック化して発表し、その効果も検証する事業。

 コミックの原作は綿村さんが担当。羽渕教授の仲介で、なかはらかぜ特任教授が作画を引き受けて、学生5人と卒業生1人が参加した。

 コミック化にあたってはリアリティを出すためなかはらかぜさんは児童相談所を見学。綿村さんともオンラインでの打ち合わせを重ね、昨年3月から1年がかりで、8章100ページの作品を完成させた。

 主人公の児童相談所職員の女性が児童虐待などさまざまな事例を経験しながら成長する物語。なかはらかぜさんは「間違ったことを書けないことから自分にとっても勉強になり、児童相談所への見方が変わった」と話している。

 羽渕さんは「研究者、漫画家という多職種の連携でわかりやすい形で残すことができた。全国の児童相談所で使っていただきたい」と話している。