医療的ケア児 キャンプ本 茨城・古河の団体制作 家族向け、育児制度賞

AI要約

茨城県古河市の一般社団法人「Burano(ブラーノ)」が制作した「医療的ケア児の家族向けキャンプガイドブック」が、「第7回2023年度ベスト育児制度賞」の孤立・困難抑止部門賞を受賞。

秋山政明さんが率いるプロジェクトは、医療的ケア児と家族がキャンプ場に行ける社会を目指し、ガイドブック制作に取り組んでいる。

ブラーノでは重症児デイサービスや働く母親向け施設を提供し、障害のある子どもたちと家族の支援に取り組んでいる。

ガイドブックは医療的ケア児と家族とのキャンプ経験をまとめたもので、22年11月から3回のインクルーシブキャンプで得られた知識や工夫を紹介している。

プロジェクトは、キャンプを望む家族からの要望を受けて始まり、医療的ケア児と家族が自然の中で楽しみながら学べる機会を提供している。

秋山政明さんは、医療的ケア児とその家族に焦点を当て、キャンプを通じてさまざまな事態に対処できるよう支援している。彼は障害の有無を問わず、生き生きと暮らせる社会を築くことを目指している。

医療的ケア児 キャンプ本 茨城・古河の団体制作 家族向け、育児制度賞

全国の優秀な子育て支援を表彰する「第7回 2023年度ベスト育児制度賞」で、茨城県古河市の一般社団法人「Burano(ブラーノ)」が制作した「医療的ケア児の家族向けキャンプガイドブック」が、孤立・困難抑止部門賞に選ばれた。プロジェクトリーダーの秋山政明さん(40)は「医療的ケア児と家族がキャンプ場に行ける社会を目指したい」と話す。

ベスト育児制度賞は、日本子育て制度機構が主催。最優秀制度賞のほか、孤立・困難抑止、少子化対策、新制度の3部門で賞を設け、受賞した各制度の全国拡大を促している。

ブラーノは同市と栃木県小山市で重症児デイサービスや母親らが働く場を提供し、障害のある子どもたちと家族の支援に取り組む。秋山さんの長男晴さん(8)も生まれつき筋肉の量が少ない難病を抱え、寝たきりで車椅子や人工呼吸器、たん吸引、経管栄養の医療的ケアが欠かせない。このため、秋山さんがこうした家族を取り巻く環境を改善しようと立ち上げた。

ガイドブックは、ホームページ(HP)でも発信する一連のプロジェクトとして制作に着手。医療的ケア児と家族とのキャンプ経験をまとめた。準備、ツール、食事、遊びの4編構成で、22年11月から3回、インクルーシブキャンプを実施して得られた経験や知識、工夫を紹介。HPでもさまざまな情報を発信している。

プロジェクトはブラーノ利用者の家族による「キャンプをしたい」との一言がきっかけだった。秋山さんは「医療的ケア児は自然の中で風や虫などと触れ合う機会がない。そのきょうだいも寂しい思いをしている」と話す。

表彰式は7月19日、大阪市内で行われ「医療ケア児だけでなくその家族にも焦点を当て、起こり得る事態を考え対処できるようにしている」と評価を受けた。

秋山さんは「日常の外出でさえ大変なのにキャンプはハードルが高い。それでもキャンプはできる」と訴える。必要な情報を発信していくことで、「障害の有無に関係なく、生き生きと暮らせる社会をつくりたい」考えだ。