「子宝の湯」営業休止へ、経営悪化で9月29日 岐阜・郡上市内の温泉、立て続けに

AI要約

長良川鉄道の駅ホームと直結する温泉施設「日本まん真ん中温泉 子宝の湯」が経営悪化を理由に営業休止

施設は燃料費高騰やコロナ禍で来場者数減少、市は新たな管理者探すも未定

14日まで通常営業、9月は閉業準備のため土日月曜のみ営業

「子宝の湯」営業休止へ、経営悪化で9月29日 岐阜・郡上市内の温泉、立て続けに

 長良川鉄道の駅ホームと直結する全国でも珍しい温泉施設「日本まん真ん中温泉 子宝の湯」(岐阜県郡上市美並町大原)が、経営の悪化を理由に9月29日で営業を休止することが分かった。1日に営業停止した「ホテル郡上八幡」(同市八幡町吉野)に併設する温泉施設に続き、市内の温泉施設が立て続けに営業を停止する形となる。

 施設の指定管理会社「子宝の湯」によると、燃料費の高止まりで国からの補助がなくなったことや、電気代の高騰、新型コロナウイルス禍で半減した来場者数の回復が見込めないことから休館を決断した。担当者は「残念のひと言。お客さまには長い間かわいがっていただき感謝している」と話した。

 施設を所有する市は、今後の施設利用について「新たな指定管理者が見つかれば存続もあり得るが、今の段階ではまだ何も決まっていない」とした。施設と直結する長良川鉄道みなみ子宝温泉駅はそのまま残る。

 施設は2002年に駅の開設とともにオープンし、子授けや安産に御利益があるとされる「勝原子安神社」の近くに温泉が湧いたことが名前の由来。16年に来場者200万人を突破した。コロナ禍前は市内外から年間12~13万人が訪れていたが、昨年は約7万人に落ち込んでいた。

 14日は開店から常連客らが訪れ、週1、2回の頻度で利用しているという女性(61)=各務原市=は「ロケーションがいい温泉で、露天風呂からの景色が好き。毎週の楽しみだった」と話し「きょうは年間パスポートを買う予定だったのに」と残念がった。

 8月は通常通り営業し、9月は閉業準備のため、土、日、月曜日のみの営業となる。