滋賀県東部の人気スポット「ドラゴン道場」 他府県から人呼び込む岩場の魅力とは

AI要約

雪野山(滋賀県東近江市など)の岩場が「ドラゴン道場」と呼ばれ、クライミングスポットとして人気を集めている。

道場の命名者である石原真さんらは、地元団体と協力して里山資源を活用し、地域の活性化に取り組んでいる。

ドラゴン道場でのクライミング交流会や森林保全活動など、地域づくりに貢献している。

滋賀県東部の人気スポット「ドラゴン道場」 他府県から人呼び込む岩場の魅力とは

 雪野山(滋賀県東近江市など)の岩場が「ドラゴン道場」と呼ばれ、ボルダリングやリードクライミングの人気スポットになっている。名神高速道路蒲生スマートインターチェンジ(SIC)のそばにある交通アクセスの良さも理由の一つだ。仲間と整備してきた男性や地元団体は「貴重な里山資源を活用し、地域を盛り上げていきたい」と意気込む。

 同道場の命名者は石原真さん(60)=東近江市。2008年の山歩き中に高さ約3~10メートルの岩場が露出するエリア3カ所を見つけた。約7千万年前に火山活動で生まれた湖東流紋岩で硬く変化に富んだ岩質は「クライミングに理想的。自然の恵みを生かそう」と、クライミング仲間とクラブを結成し、手弁当で整備を重ねてきた。

 現場は蒲生SIC近くの駐車場から山道を10~15分ほど歩けば着く。初心者から上級者向けまで3エリアに計45課題ほどあるという。岩登りをしなくても現場の横道を行けば岩場の上方から見学や眺望も楽しめ、週末は遠方の他府県から多くの愛好家が訪れている。

 「道場」人気に注目し、協力を呼びかけたのが平田地区まちづくり協議会。雪野山を活用したトレイルラン教室などに取り組んでおり、東近江の森と人をつなぐあかね基金の助成を受けて新事業を始めた。全国から約70人が集まった今春のドラゴン道場クライミング交流会をはじめ、看板設置や駐車場・トイレ整備、山道作りなど森林保全活動を進める。森井源藏事務局長(73)は「関係人口を増やし、少子高齢化に悩む平田地区のまちづくりにつなげたい」と話す。

 「道場」のリーフレットに続き、ガイドブック発行を目指す石原さんは「ドラゴン道場とクライミングの魅力を全国に発信していきたい。利用ルールを守って遊んでほしい」と願う。リーフレットは近くの平田コミュニティセンターで配布中。館内で岩登り用具や専門書の展示のほか、安全マットの無料貸し出しを行っている。