熱中症死、最悪ペース 際立つ高齢者、自宅で家族が発見相次ぐ 県が注意喚起「エアコンの使用ためらわないで」

AI要約

鹿児島県内で熱中症で亡くなる人が相次いでおり、7月以降だけでも5人もの死亡者が出ている。県では過去5年で最悪のペースとなっており、救急搬送数も前年を上回る状況にある。

県内の熱中症死亡者は高齢者が中心で、多くの場合は自宅内で倒れていることが報告されている。発見時間帯は広範囲にわたっており、熱中症に対する意識がますます重要となっている。

保健当局は特に高齢者に暑さや脱水症状に注意するよう呼びかけており、熱中症警戒アラート発令時には不要な外出を控えることや水分補給をこまめに行うことを勧めている。

熱中症死、最悪ペース 際立つ高齢者、自宅で家族が発見相次ぐ 県が注意喚起「エアコンの使用ためらわないで」

 鹿児島県内で、熱中症で亡くなる人が相次いでいる。県消防保安課の集計によると、7月以降で5人に上り、過去5年で最悪ペースになっている。救急搬送数も前年を超えており、県は「室内でも熱中症になる。エアコンや扇風機を使い、こまめな水分補給を意識して」と呼びかける。

 消防庁や県の集計では、熱中症疑いで救急搬送後、初診時に死亡が確認された場合を「死亡」とする。消防庁統計によると、県内の熱中症による死亡報告は2023年(6~9月)はなく、22年1人、21年2人、20年3人、19年2人だった。今年は搬送者数も増えており、昨年6~9月の累計1455人を8月上旬で上回った。

 県内での死亡は7月2日以降に各地で発生。80代3人、70代と90代がそれぞれ1人亡くなった。屋外で発見されたのは1人で、4人は自宅の台所や居間、ベッドで倒れているのを家族などが見つけたという。

 発見時間帯も午前11時台から午後5時台までと幅広い。集計には含まれていないが、7月上旬には40代男性が熱中症で倒れ、その後死亡した例も明らかになっている。

 県健康増進課は、環境省や気象庁が出す「熱中症警戒アラート」の発令時は不要な外出を控え、マスクは場所や状況に応じて着脱するといった対策を促す。特に高齢者は暑さや脱水症状に気づきにくい場合があるとして、「エアコンや扇風機の使用をためらわず、水分はあらかじめ時間を決めてこまめに取ってほしい」と訴える。