曖昧な“武力攻撃予測事態”  5万人の避難に6日かかる石垣市 「本当に計画通り避難できるのか…」市担当者も不安

AI要約

石垣市で武力攻撃予測事態に備えた「国民保護」のための避難計画案について、住民の意見交換会が開かれた。

市は航空機での避難を基本とし、「要配慮者」やその支援者は船舶での避難を想定。6日間で5万人を避難させる案がある。

様々な立場からの意見があり、要配慮者の状況把握や避難のタイミングについて懸念が示されている。

曖昧な“武力攻撃予測事態”  5万人の避難に6日かかる石垣市 「本当に計画通り避難できるのか…」市担当者も不安

武力攻撃が予測される事態に備えた“国民保護”をめぐり、石垣市では1日、石垣市の意見交換会が開かれた。住民の避難計画案の策定に市の担当者は何を思うのかー

1日に開かれた、避難計画案に関する意見交換会。

市の計画案は、航空機での避難を基本に、自力での避難が困難ないわゆる「要配慮者」やその支援者などは、船舶での避難を想定する。

また、空港から遠い島の北部・西部・冨崎地区を優先とし、6日間で5万人の住民を避難させる案になっている。

▽ろうあ者の新川区民

「障がいのある方もたくさん意見があると思うので、意見交換を障がい者団体などと繰り返していただけるとありがたい」

▽大浜区民は

「住み慣れた石垣市で一生を終わりたいなと思うんですけど、できませんか?」

石垣市の計画案について危機管理学が専門で日本大学の中林啓修准教授はー

▽日本大学 危機管理学部 中林啓修准教授

「特に移動そのものにリスクのある方、動かしてしまうことがかえってその人の命を縮めてしまう可能性のある人たちを、いかにちゃんと把握していくかということがすごく重要」「当事者の観点を盛り込んでいく機会を作っていくことが大事なことだと思います」

市は、医療機関など関係機関と連携し、「要配慮者」の人数や状態の把握に努めるとしている。

一方、市の担当者にはもうひとつの懸念が…

▽石垣市総務部防災危機管理課・富浜公雄課長

「本当にできるのか、タイムライン通りに避難させることが本当にできるのかっていうところが心配で」「一番重要なのは、国の認定のタイミングだと捉えています。十分避難に要する6日間の安全を確保されるようなタイミングを念頭に考えてほしい」

富浜課長は、住民避難のための十分な日数が確保できるのか、避難を指示する政府のタイミングをうかがう。

しかし中林准教授は、具体的にどんな状況が「武力攻撃予測事態」に該当するのか曖昧だと指摘する。

▽日本大学 危機管理学部 中林啓修准教授

「すごくあいまいな幅のなかを、ある程度、政治ないしは国で責任をもって決断をしていかないといけない」