信州で愛され60年「テンヨのビミサン」 山梨のだしつゆ…でも4割以上は長野県で消費 根付いた背景…やはり「食文化」
信州の食卓を支える「だしつゆ」として根強い人気を誇る「テンヨのビミサン」について紹介。
長野県内で特に消費量が多い「テンヨのビミサン」の魅力や愛用者の声、製造工程、そしてなぜ信州が最も消費量が多いのかに迫る。
歴史ある山梨県のメーカーが作る「テンヨのビミサン」が、信州の食文化に根付いた理由を探る。
特集は信州の食卓を支える「だしつゆ」です。これまでビタミンちくわやホモソーセージなど、度々、長野県内での消費量が特に多い商品を取り上げてきましたが、今回は「テンヨのビミサン」です。今年で発売60周年。山梨県のメーカーの商品ですが、実は4割以上が長野県内で消費されています。信州に根付いた理由を取材しました。
切り干し大根に、煮込みうどん。これらの味付けに使われているのは、少女の描かれたラベルが目印の「テンヨのビミサン」。今年で発売60周年を迎えました。
長野市の女性・愛用歴30年以上：
「いつも切らさないようにストックしておいて、1年中ある。あっという間に使っちゃう。これは本当に離せません」
スーパーでも…。
愛用歴50年以上：
「何十年も昔から、これ一本ですね。いろいろ使ってみたけど、これが一番」
愛用者：
「けさの話ですけど、卵とじに使ったり、チャーハンとかにもたまに入れたりするかな。2日に1回くらい使っているのかな」
愛用する県民はかなり多いようです。
そこで―
向かったのは山梨県に本社を置く「テンヨ武田」の甲府南工場。
テンヨ武田・広瀬侑生さん：
「本日はビミサンを詰めています。1.8リットルlの容器に1分間で約60本くらい詰めています」
原料はかつおだしや、しょうゆなど。
煮出しから充填まで、この工場内で全工程を行っていて、年間90万リットルのビミサンが作られています。
最後におなじみのラベルを貼って各地へ発送されます。
販売されているのは山梨を中心とした主に東日本のエリアですが、実は長野県が最も消費量が多く、断トツの44%に上っています。
社長は―
テンヨ武田・武田信彦社長：
「（信州で）大変な量を使っていただいておりまして、足を向けて寝られないですね」
なぜ、信州が一番？歴史と背景を探ってみました。
テンヨ武田の前身・「武田本店」が創業したのは明治5（1872）年。
戦国武将・武田信玄で有名な「武田家」の血を引く武田善兵衛が立ち上げました。
