3000メートル級の立山連峰 雄大な景観をバックに中学生らが外来植物を除去

AI要約

富山市内の中学生たちが、立山室堂周辺で外来植物を除去する活動を行いました。活動の目的や手法、参加者の感想について報告されています。

外来植物除去の必要性や重要性について記載されており、立山の生態系を守るための取り組みが紹介されています。

除去活動の成果や意義、地域の自然保護活動への取り組みに関する情報がまとめられています。

3000メートル級の立山連峰 雄大な景観をバックに中学生らが外来植物を除去

富山市内の中学生たちが、立山室堂周辺で「外来植物」を除去する活動を行いました。

これは、富山西ロータリークラブが呼びかけて行ったもので、除去活動には、富山市内5つの中学校から生徒18人が参加しました。

立山連峰には、登山者など年間100万人が訪れますが、同時に観光客の靴底や衣服、それに作業車両のタイヤに付着して本来立山には生息しない植物の種が持ち込まれ、問題となっています。そのまま放置すると外来種が繁殖し、本来の在来植物の生育地が奪われるなど、生態系が破壊される恐れがあります。富山県や自然保護協会では、関係団体とともに対策検討委員会を組織し、2008年度からはボランティアを加えて人力で除去活動を行ってきました。

2日は、中学生とロータリークラブの会員が、立山室堂に集合し、富山県自然保護協会ナチュラリストから、外来植物の見分け方と除去の方法について指導を受けながら班に分かれて作業を行いました。

立山で確認されている外来植物は、約70種類あると言われています。富山県自然保護協会のナチュラリスト山橋貞信さんは「種が人に付着して持ち込まれ繁殖しているケースが多い。一度生態系が破壊されると高山の植物再生には100年かかってしまいます」と継続した除去活動が必要だと言います。

この日立山室堂周辺の日中の気温は17℃、風が涼しく感じられました。

生徒たちは、雄山や劔岳など雄大な立山連峰の峰々を背に、釜や剪定ばさみを使って慎重に切り取っていました。

この日に除去した外来植物は、イタドリとヨモギを中心に合わせて100キロを除去しました。

参加した東部中学校の生徒は「存在しないはずの植物がこんなにあって驚いた」「立山の自然維持のためきょうの活動をしたことは良い経験になった」「コロナで6年生の時の立山学校登山ができなかったので、今回来られて良かった」また、芝族小学校の生徒は「チュラリストの方から見分け方をきいてたくさん除去できた」などと話していました。

また、毎年除去活動を行っている富山西ロータリークラブの山本肇会長は「この活動を通して若い世代に観光資源としての立山の魅力について学んでもらうとともに、立山の自然環境維持の重要性を次の世代に伝えていきたい」とし、今後も活動を続けていくとしました。

立山黒部アルペンルートは、中部山岳国立公園です。また、自然公園法の特別保護地区に指定されている場所もあります。外来種除去に協力する場合は、富山県の自然保護センターに連絡し指導を受けて欲しいと呼びかけています。