〈パリ五輪〉幼なじみ北川「光る」 負けん気の強さ、超一流 金沢で「戦友」本社記者

AI要約

なでしこジャパンの北川選手がナイジェリア戦で素晴らしい直接フリーキックを決める活躍を見せ、過去の思い出や応援のエピソードが振り返られた。

北川選手はけがの影響で苦しんだ過去もありつつも、母や恩師の応援に支えられ、懸命にプレーしている姿勢が伝えられた。

これからのなでしこジャパンの活躍に期待を寄せつつ、北川選手を含むチームの気持ちと激戦の準々決勝に期待が高まっている。

〈パリ五輪〉幼なじみ北川「光る」 負けん気の強さ、超一流 金沢で「戦友」本社記者

 幼なじみの一蹴りで眠気が覚めた。1日午前0時過ぎ、サッカー女子「なでしこジャパン」のナイジェリア戦を自宅で観戦。北川ひかる選手(27)=INAC神戸、金沢市出身=の直接フリーキックがゴール右上に吸い込まれた。小学生の頃に同じ選抜チームでプレーした「戦友」の芸術弾は、今後の活躍に期待を抱かせるには十分だった。(社会部・山科耀)

 前半終了間際、ゆっくりとした助走で北川選手の左足から放たれたボールがネットを揺らした瞬間、仕事終わりで疲れていたが、「うわ、えぐっ」と思わず声が出た。

 北川選手とは、小学6年生の頃、金沢市南部のサッカー少年団でつくる選抜チームでともにプレーした。持ち前のフィジカルと強烈な左足で何度もチームを救ってもらった。レバ刺しが好きでスタミナも豊富。けがをしても「これくらい平気、平気」と負けん気の強さは超一流だった。

 当時、私よりも背が高く、「おちびちゃん」「ユニホームのサイズ合ってないよ」とよくいじられた。私もフリーキックにはそれなりに自信があり、試合中にキッカーの座だけは北川選手に一度も譲ったことはない。それだけに、ナイジェリア戦の美しい軌道に興奮が止まらなかった。

 北川選手はけがの影響もあって初戦のスペイン戦、第2戦のブラジル戦はメンバー外となり、悔しい思いをしていたはずだ。ただ、北川選手と毎日LINEでやりとりを続ける母美千代さん(60)によると、焦る様子はなかったという。美千代さんは「ゴールの瞬間、興奮して叫んだ」と、家の壁をたたいて喜んだそうだ。

  ●「新聞みた!」

 1日午後2時半ごろ、北川選手にLINEで「ナイスゴール」と祝福すると、午後4時半ごろ、「ありがとう、新聞もみた!」と絵文字付きで返ってきた。小学校時代の恩師から自身の活躍を報じた本紙夕刊の写真が送られてきたという。遠く離れたパリからのうれしい連絡に、こちらも胸が熱くなった。

 なでしこジャパンは、準々決勝で「絶対女王」の米国と激突する。「これくらい平気、平気」と縦横無尽に走り回り、日本に勝利をもたらしてくれると信じている。