熱中症の見方変えてくれた 米沢・女子中学生の搬送後死亡から1年

AI要約

女子生徒が熱中症の疑いで搬送され、亡くなってから1年。自治体や学校で熱中症対策が強化されている。

女子生徒は13歳であり、活動的で優しく、学業や部活で活躍していた。

母親は娘を亡くした悲しみを持ちながらも、熱中症への意識改革を願っている。

熱中症の見方変えてくれた 米沢・女子中学生の搬送後死亡から1年

 米沢市で米沢三中の女子生徒が下校途中に熱中症の疑いで搬送され、その後、亡くなってから、28日で1年となる。女子生徒の死後、自治体や学校現場では再発防止策として、熱中症を防ぐための取り組みが進められている。女子生徒の母親は「娘を失い、つらい1年だった。それでも娘の死後、世の中の人たちの熱中症への見方が変わった」と話し、二度と同じような事態が起きないことを願った。

 女子生徒は当時13歳で、1年生だった。昨年7月28日午前、部活動後に自転車で下校し、同10時半ごろ、学校から2.5キロ離れた路上で倒れているのが見つかった。その後、死亡が確認された。

 「頼りになり、何でも器用にこなす、すごい子だった」。亡くなってから1年となるのを受け、母親が山形新聞の取材に応じた。女子生徒は3人姉妹の長女。優しく家族思いだった。小学生のころから、下級生の面倒をよくみて、緑の少年団の活動で全国表彰を受けた。中学では先輩に憧れて剣道部に入り、学級委員も務めた。

 米沢市では、今夏から一部の中学校などで「暑さ指数」をリアルタイムで計測し、把握できるセンサーを活用。市内全中学校では今月から、生徒の表情を基に熱中症リスクを判定するタブレット端末を設置し、本格運用を開始した。女子生徒の死後、熱中症から守る取り組みは進んでいる。

 母親は「熱中症に対する世の中の考え方を変えた。こんな形で世の中を変える子ではないのに」と話した。女子生徒が倒れていた場所には、今も多くの花や飲み物が供えられている。熱中症での救急搬送などのニュースを見るたび、つらい思いになるという。母親は「大変な暑さが続くが、熱中症に気を付け、元気に過ごしてほしい」。娘の遺影を前に語った。