天神祭ギャルみこし「みんなで“夏”、シェアしたよ!」 真夏のボルテージ、最高潮!歴史重ねて41回

AI要約

天神祭は、大阪の夏の風物詩であり、1981年に始まったギャルみこしの伝統が続く祭り。

今年は3年ぶりに復活し、146人の応募から80人の女性が選ばれて参加。

参加者は明るさと元気さを求められ、それぞれが異なる職業や志向で熱気に満ちた祭りを楽しむ。

天神祭ギャルみこし「みんなで“夏”、シェアしたよ!」 真夏のボルテージ、最高潮!歴史重ねて41回

 日本三大祭のひとつ、大阪の夏の風物詩・天神祭(7月24日・宵宮、25日・本宮 )が開催され、関西の夏を祇園祭とともに彩る。

 天神祭は、菅原道真ゆかりの大阪天満宮が鎮座した2年後の天暦5(951)年6月に始まったとされる。時代はめぐり、1981(昭和56)年には、天神祭の「宵々宮」の行事として、ギャルみこしが始まった。

 正式名称は「天神祭女性御神輿」。15~30歳(中学生を除く)、総勢80人の女性が重さ200キロのみこし2基を担ぎ、日本一長い天神橋筋商店街を1往復半、約4キロを練り歩いた。

 最初の年は大阪天満宮への参拝は認められなかったが、翌1982(昭和57)年からは天満宮境内にも、みこしを担ぐ女性の元気な掛け声が響くようになった。

 新形コロナウイルス感染拡大の影響で3年間の中止を経て、昨年(2023年)4年ぶりに復活、今年で41回を迎えた。

 例年6月からギャルみこし参加者を募集、オーディションを経てメンバーを選定するのだが、大阪の暑い夏、日中の気温上昇の中、神輿を担ぐのは、体力や気力に自信がある女性であっても非常に過酷だ。

 そうした中、今年(2024年)は146人の応募があり、書類選考を経て7月13日に行われたオーディションでは、大きな熱気の中、重さ80キロの天秤棒を担ぐ体力測定のほか、一発芸などの自己PRを披露した。

 みこしを担ぐ女性たちに求められるのは、“明るさ”と“元気さ”。選ばれた80人はさまざまな思いで夏の熱気を共有した。

 インドネシア・ジャカルタ出身のサフィトリ・エフィアニさん(30)は日本のIT企業に勤める。5年前に留学先の熊本の大学を卒業して関西に。「インドネシアでは宗教的で静かなセレモニーが多く、日本のように皆が参加して楽しむお祭りがないので、とても興味がありました。熱気の中、盛り上がるお祭り、メンバーとも仲良くなって、テンションが上がります」と話す。

 康村世梨さん(24)は、来年2月に行われる理学療法士の国家試験を控える。もとは介護職に従事していたが、理学療法士に出会い、けがや病気など何らかのアクシデントで身体機能に支障が出た人たちに、リハビリテーションを通して社会復帰をサポートしたいと考えるようになった。

 康村さんの母は第4回(1985年)、姉は第37回(2017年)、ギャルみこしに参加。「私もそろそろ応募しようと思っていた矢先にコロナで中止に。オーディションの熱気に圧倒されたが、母や姉からは『とにかく元気を出してこい!』と送り出されました。精一杯の笑顔で元気さを発信するって素晴らしいですね」と微笑んだ。

 田ノ上遥菜さん(27)は中学の家庭科教師。趣味はツーリング。休日は淡路島まで出かけるアウトドア派。「楽しいことが好き。でも、なかなかそういう機会に恵まれない。ギャルみこしに参加して、『先生も頑張ってるから』というメッセージが子どもたちにも伝われば…。外国人の方々にも天神祭を知ってもらい、大阪一活気がある天神橋筋商店街を盛り上げることができた」と満足気に話す。

 若田優花さん(26)はバーテンダー歴4年で、4月に行われたバーテンダーカクテルコンペティションで関西1位に。普段はシェイカーを持つ若田さん、大型のシェイカーでカクテルをシェイクする際は5人分で350グラム。今度は200キロもあるみこしをメンバーで担いだが、「シェイカーは体幹が大事。おみこしも同じですよ」と自信満々。

 福田望琴(みこと)さん(26)は、叔母が第3回(1984年)にギャルみこしに参加。ふだんは作業療法士として、リハビリのサポートをする中、ずっと参加したいと思っていた。「もっと元気を発信したい」との衝動に駆られたという。

 阿部汐莉さん(25)は、児童心理治療施設に勤める。学生時代から応募しようと思い、ようやく念願がかなった。職場ではさまざまな境遇のもと、自分の感情がうまく表現できなかったり、社会になじめなかったりする子どもたちと正面から向き合い、サポートしている。

 阿部さんは「事情があって家庭に戻れない子どもたちにも、失敗してもいいからチャレンジする気持ちを知ってほしいと思います。そんな姿を見せることで、何か一歩を踏み出す勇気を感じてもらえたら嬉しい」と話した。