殺人容疑で逮捕の2被告 傷害致死罪を加え訴因変更/七戸・死体遺棄

AI要約

青森県七戸町で発生した殺人事件について、地検が起訴内容を変更し、2人の被告を傷害致死罪で訴追することが決定した。

被害者は暴行を受けた後、タイヤを乗せられたプラスチック容器に閉じ込められ、死亡した。遺体は複数回埋められたという。一連の事件の捜査は終結した。

他の関係者については不起訴処分や覚醒剤取引の罪で追起訴された。裁判員裁判で審理される見通し。

 今年4月、青森県七戸町の土中から、同町のトラック運転手の男性=当時(54)=が遺体で見つかった事件で、青森地検は23日、殺人容疑で再逮捕され処分保留となっていた同町森ノ上、無職の男(47)と、同町森ケ沢、無職の男(45)の両被告について、既に起訴された加害目的略取と監禁罪に、傷害致死罪を加え訴因変更した。事実上、傷害致死罪に切り替えて起訴した形で、地検の中川知三次席検事は「殺害行為を認定する証拠が足りなかった」と説明。今回の処分で、一連の事件の捜査は終結した。

 両被告の訴因変更後の起訴内容によると、1月7日夕、共謀して男性を自宅から誘い出し、路上で男性の顔をげんこつで殴るなどして暴行。車に乗せ七戸町森ケ沢の土場に連れ去り、土場のコンテナ内で、男性の体にタイヤ(重さ約30キロ)数本を乗せた後、プラスチック製容器に入れ、同日午後8時ごろ、多発肋骨(ろっこつ)骨折・腰椎肋骨突起骨折による出血性ショックと呼吸不全で死亡させたとされる。

 両被告を巡っては、男性の遺体を入れたプラスチック製容器を町内の土中に埋めたとして、死体遺棄罪で既に起訴されている。地検は23日、町内で場所を変えて二度、同容器を土中に埋めたとして、同罪で2人を追起訴するなどした。

 両被告と共に殺人容疑で再逮捕されていた六戸町小松ケ丘1丁目、無職の男(55)=覚醒剤取締法違反罪で公判中=については、不起訴処分に。両被告と共謀し、男性の遺体を遺棄した死体遺棄罪で追起訴した。不起訴処分の理由については明らかにしていない。

 また、同町森ノ上、無職の男に関しては六戸町の男から覚醒剤約2グラムを譲り受けたとして、覚醒剤取締法違反(譲り受け)罪でも追起訴した。

 七戸町在住の両被告は裁判員裁判で審理される。