北海道内5地区で金の試掘検討 オーストラリアの探査会社日本法人

AI要約

オーストラリアの金探査会社JapeXが道内5地区で金の試掘調査を検討。黒松内町と長万部町にまたがる静狩地区で初の住民説明会を開催。環境への影響が懸念される。

静狩の他にも黒松内町や豊浦町、紋別市などで試掘を申請。静狩金山では以前採掘が行われており、今後の試掘計画や事業化について報告。

住民説明会に約80人が参加。JapeXは地下500~800メートルのボーリング調査を予定。地域の同意を得た上で操業する姿勢を示した。

北海道内5地区で金の試掘検討 オーストラリアの探査会社日本法人

 【黒松内】オーストラリアの金探査会社の日本法人JapeX(ジャペックス、東京)が道内5地区で金の試掘調査を検討していることが19日、わかった。このうち、後志管内黒松内町と渡島管内長万部町にまたがる静狩地区については北海道経済産業局から試掘権が認められ、同日、黒松内町内で初の住民説明会を開催。参加者からは環境への影響などを懸念する声が相次いだ。

 静狩のほかに試掘を申請しているのは、黒松内町の大金地区と大栄地区、胆振管内豊浦町の大岸地区、紋別市の鴻之舞地区。現時点で唯一許可を得ているのが静狩地区で、対象は約346ヘクタール。大部分が道有地、一部は民有地という。

 静狩金山では大正から昭和初期にかけて採掘が行われていた。同社は2020年に試掘権の設定を出願。今年1月に許可、2月に登録された。試掘権の期間は登録から2年で、最大6年まで延長可能。同社は来春にも試掘を始めたい考え。事業化には新たに採掘権を取得する必要がある。

 19日の住民説明会には約80人が出席した。同社の担当者は、金の埋蔵状況を調べるため地下500~800メートルのボーリング調査などを計画していることを説明。ジャペックスの親会社のグレッグ・フォリウス会長は「北海道や黒松内の自然の価値を認識している。地域の同意を得てから操業したい」と述べた。