空き家が社会問題化…関心高まる0円物件、解体のマッチングサービス

AI要約

全国の空き家の数は約900万戸で過去最多。新たなサービス「みんなの0円物件」に注目が集まっている。

空き家を利用した民泊や趣味の活用など、活気ある再利用事例が増えている。

空き家問題は全国規模で深刻化しており、関心が高まっている。

空き家が社会問題化…関心高まる0円物件、解体のマッチングサービス

 全国の空き家の数は約900万戸。過去最多となるなか、解決への一歩となる、新たなサービスが注目されています。

 「70~80年くらいになるんじゃないかと。五右衛門風呂が魅力的だなと思って。サウナつけて、これは水風呂として生かしたらどうかなって」

 訪ねたのは熊本県天草市の3年間空き家となっていた物件です。熊本市の男性が約200坪の土地と建物を無償で譲り受けました。魚釣りのポイントが近くにあり、釣り客が利用できる1日1組限定のサウナ付き民泊に改装する構想です。

 利用したのは「みんなの0円物件」という空き家のマッチングサイト。無償で譲渡を希望している全国の空き家の情報を掲載しています。天草市の空き家を取得した男性は、司法書士手数料、登記費用などを自己負担したのみ。リフォーム費用をかけても安く済むと判断しました。

「移住すると考えたら若い世代の人は避けがちと思うんですよね。だけど、趣味で生かすと考えたら魚釣りが趣味の人だったり、サウナ趣味の人だったり。天草にメリットを感じました」

 かつて祖父母が住んでいた熊本県八代市の空き家を無償で譲渡した女性は、複数の不動産会社に相談したものの立地を理由に扱いを断られ、仮に売ったとしても家財を処分する費用で赤字になるところだったといいます。

「手放さないと、管理のお金がものすごくかかるんですよ。だったら0円でもいいから誰かが使ってくれるとありがたいなという気持ちで」

最終的には、自己負担なく譲渡できました。

 総務省が5年ごとに行う調査では、2023年、熊本県内の空き家は過去最多の12万8000戸に。空き家は放置していると、固定資産税がかかる上、災害時の倒壊や火災につながるなどのリスクがあります。空き家の相続放棄も増えていて、2023年は全国で過去最多の28万2785件と大きな社会問題となっています。

 こうしたなか「みんなの0円物件」には、空き家処分の希望が毎月150件から200件、物件を希望する問い合わせも、1物件につき50件から100件寄せられるなど、関心が高まっています。