今の議員はバッジを着けるためにやってる。彼は違った。「権力と闘うトラ」だった…亀井静香氏が語った医療革命児・徳田虎雄氏との思い出「心意気にほれたんだよ」

AI要約

元衆院議員の徳田虎雄氏と長年の盟友である元衆院議員の亀井静香氏が、徳田氏との友情を語った。

亀井氏は、徳田氏と共に最善の医療を提供する社会を目指し、政治面で後押しをしてきた。

徳田氏がALSを発症し、病気が進行して会うことができなくなったこと、そして現在の政治状況についても述べられている。

今の議員はバッジを着けるためにやってる。彼は違った。「権力と闘うトラ」だった…亀井静香氏が語った医療革命児・徳田虎雄氏との思い出「心意気にほれたんだよ」

 日本最大級の医療法人「徳洲会」を創設し10日死去した元衆院議員の徳田虎雄氏と長年盟友として過ごした元衆院議員の亀井静香氏(87)が、徳田氏との思い出を語った。2人の関係を「虎と亀の友情」と表し、「彼は権力と闘うトラだった。あんな男はなかなか出てこないね」と惜しんだ。

 出会いは東京都知事を務めた故石原慎太郎氏を介してだった。石原氏が開いていた勉強会の事務所と、徳洲会の東京本部が同じビルだったのがきっかけ。「トラとはなぜか気が合った。俺もけんかが好きだから」

 だれもが最善の医療を受けられる社会を目指し、全国で病院建設を進めた「革命児」は、日本医師会などと対立を深めていた。1990年、国会に議席を得た徳田氏を、亀井氏は政策面で後押しするようになる。自民党政調会長時代には、陳情に応じサトウキビ価格の引き上げにも一役買った。

 「医師会の支援を受けていない俺だからこそできた。医療は医者の独占物じゃないという彼の心意気に、男同士だけどほれちゃったんだよ」

 徳田氏の人物像を「話すだけで風圧を感じるほどの迫力。あれは人間じゃない。南海のトラだよ。トラだけど人間力があった」と評し、「俺たちは血のつながりよりも深い義兄弟だった」と懐かしむ。

 2002年、徳田氏は筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症。病が進行し、近年は新型コロナウイルス禍もあり、しばらく会っていなかったという。「あんなに元気だった人が病気になるなんて悲劇だよ。文字盤を目で追い会話するのを見るとかわいそうで、会うことができなくなった。人の命はわからない」

 自民党派閥の裏金事件をはじめ現在の政治状況を「皆、選挙でバッジを着けるためにやってるだけ。日本をどうする、そういう気概がない。今のこんなぬるま湯みたいな状況を彼は許さなかっただろうな」と語る。

 今、徳田氏にどんな言葉を掛けたいか。「さんずの川で鬼と相撲を取ってるだろう。俺も加勢するから、頑張っとれって言いたい。俺もいずれ行くんじゃって」