夢実現へ「何でもやってみよう」 五輪競泳メダリストの中西さん、京都府福知山市で講演

AI要約

中西悠子さんは元競泳選手で、講演では子どもたちに夢への挑戦をエールしました。壁にぶつかっても諦めず、努力を重ねて五輪の舞台に立った自身の経験を語りました。

中西さんは子どもの頃からオリンピック出場を夢見ており、苦難を乗り越えて競泳選手としての道を歩んできました。努力と決意を持つことの大切さを伝えました。

競技人生を振り返り、「結果だけがすべてではない」と気づいた中西さんは、目標を持ち続けることの重要性を強調しました。何事も挑戦する姿勢を大切にしていることも語られました。

夢実現へ「何でもやってみよう」 五輪競泳メダリストの中西さん、京都府福知山市で講演

 元競泳選手でアテネ五輪女子200メートルバタフライ銅メダルの中西悠子さんが6日、京都府福知山市役所隣のハピネスふくちやまであった市青少年健全育成大会で講演した。壁にぶつかっても諦めず、子どもの頃に夢みた五輪の舞台に立った経験を振り返り、「気持ちが下がる時は誰にでもある。目標に向かって“やってみよう”が大事」と子どもたちの夢実現へエールを贈った。

 中西さんは大阪府池田市出身。早くから水泳を習い、小学校の卒業文集に「オリンピックに出たい」と書いた。

 小学校時代の最高記録は全国2位で、ずっと勝てない選手がいた。「このままじゃあかん」。中学生になり、もっと速くなりたいと、枚方市のスイミングスクールに移籍。「移動時間が1時間以上あって、中学生だった当時の私にとっては運命の決断でした」

 中学校時代は嫌な思い出もある。友だちに無視されて学校に行きたくなくなった。「仮病を使ったりしましたね。でも水泳で見返したるんや」と練習に励んだ。

 ところが高校生になると記録が伸び悩んだ。競泳をやめたいとコーチに打ち明けたこともある。それでも諦めず、努力を重ねて19歳でのシドニー五輪を皮切りに、アテネ、北京と五輪3大会連続出場を果たす。夢の実現に必要なことは「しんどい時に人一倍考える」「同じ失敗をしない」「何でもやる、やってみる」の3つを挙げた。

 勝負の世界で生きてきた。でも「結果が全てではない」と今は言える。

 そう思えるようになったきっかけは、世界ランキング1位で挑んだ2008年の北京五輪。5位に終わって落ち込んだが、「選手村でハンマー投げの室伏広治さん(現スポーツ庁長官)に『僕たちはメダルを取るためだけにやってるわけじゃないからね』と声を掛けてもらって、すっと気持ちが楽になった。『頑張ったもん!』と思いながら日本に帰ったのを覚えています」と笑った。

 何でもやってみる-を大切にしている。「現役をやめてから目標がなかったんですが、昨年世界マスターズ水泳選手権に出ました。結果は3位で息子に『お母さんまた3位』と言われて『うるせえ』と返しました。目標って大事ですね」

 市、市教委、市青少年問題協議会主催。1日から全国一斉に始まった子ども家庭庁主唱「青少年の非行・被害防止全国強調月間」、法務省主唱「社会を明るくする運動」に合わせて開き、今年で65回目となった。講演は125人が聞いた。