熱海土石流3年 鈴木知事が初の被災地入り 追悼式で遺族「向き合ってほしい」

AI要約

熱海市伊豆山で大規模土石流の災害で28人が死亡し、3年が経過。

市主催の追悼式が行われ、遺族や行政関係者が犠牲者を慰霊。

鈴木知事が復興を支援すると表明し、遺族からの要望にも対応する姿勢を示した。

熱海土石流3年 鈴木知事が初の被災地入り 追悼式で遺族「向き合ってほしい」

 熱海市伊豆山で災害関連死を含む28人が死亡した大規模土石流の発生から3日で3年が経過した。被災地近くの市立伊豆山小では市主催の追悼式が行われ、13世帯29人の遺族をはじめ、斉藤栄市長、鈴木康友知事ら計約70人が参列し、犠牲者を慰霊した。初めて被災地を訪れた鈴木知事は心に深い傷を負った遺族らと対面し、「二度と同じような災害を起こさないよう安全な地域づくりを推進する」と決意を新たにした。

 斉藤市長は式辞で「3年の歳月を経てもなお、悲しみが尽きることはない。一日も早い復旧復興に全力を挙げる」と誓った。鈴木知事も早期の復旧復興に努めるとし、不適切な盛り土行為には毅然(きぜん)と対応すると強調した。

 ただ、参列した遺族の思いとはすれ違いも見られた。長女の西澤友紀さん=当時(44)=を亡くした小磯洋子さん(74)は式後、鈴木知事に駆け寄り、友紀さんの遺影を手にして「事件の原因究明は終わっていない。娘の死を無駄にしないでちゃんと向き合ってほしい」と訴えた。鈴木知事は神妙な面持ちで黙ってうなずくのみだった。

 鈴木知事は復興まちづくりに関する市の懇話会に参加している町内会長や被災者と面会した。用地買収が難航する逢初(あいぞめ)川中流部の復旧工事現場も視察した。課題が山積する被災地の今後について鈴木知事は「皆さんに寄り添うことが必要。単なるハードの復旧復興だけでなく、どういうコミュニティーをつくるかが重要」と語った。