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「市長は自分のわがままと指導力を取り違えている」被災者が復旧計画の遅れを痛烈に批判 熱海土石流災害から3年
熱海市を襲った土石流災害から3年が経過し、復旧工事が遅れている状況が続いている。
被災者は市長の対応に不満を持ち、道路整備計画に被災者の意見を反映するよう求めている。
被害を受けた宅地や農地の復旧は進んでおらず、用地買収に関する交渉も難航している。
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静岡県熱海市を襲い、28人が犠牲になった土石流。発災から3年が経過しても復旧工事はまだ用地買収すら完了していない。被災者のひとりは「市長は自分のわがままと指導力を取り違えている」と批判し、道路の整備計画に被災者の意見を反映するよう求めている。
28人の命と多くの住宅、そして大勢の人たちの日常を奪った土石流災害。
2024年7月3日で3年が経つ被災地では、道路の復旧や土砂が流れた逢初川の改良工事が進められているが、被害を受けた宅地や農地の復旧は進んでいない。
熱海市の斉藤栄 市長は6月末の定例記者会見で「復興については様々な厳しい声もある。遅れているということについては私は否めないと思っている」と認めた。
土石流が流れ下った逢初川流域の整備に向けた用地買収は、県が担当する河川改修事業で60%、市が担当する道路新設事業で75%が完了している。
しかし、具体的な交渉に入っていない地権者もいる。自宅が全壊した太田滋さんもその1人だ。
太田さんは「市は『売ってください』と言ったというが、私は市から(買収の話を)聞いた覚えがない。納得できる計画の話をしてくださいということ。こちら(地権者)の話も聞いてください、それだけです」と話す。
太田さんの宅地と畑は逢初川の両側に位置している。県から開示された資料では、宅地の3分の1と農地の一部が計画用地に該当。
太田さんは「うちのところは(買収範囲を)まだ示さないでほしいと言っているので正確なところはわからないが、この辺り、私の足元くらいまで道路が来ると想像している」と話す。
太田さんは県が行う河川の改修工事には地域の安全を考え一定の理解を示している。
しかし、熱海市が新設する道路の計画には否定的な考えだ。
自宅と農地が被災した太田滋さん:
(市の道路計画は)総合的に地域のことを考えた計画ではないと思う。市長は自分のわがままと指導力を取り違えているのではと今は思う