20年ぶり新紙幣 機器の更新負担大きい中小事業所も

AI要約

日本銀行は20年ぶりに新しい1万円札、5千円札、千円札を発行。新紙幣は偽造防止のための変更や印刷方法の変更が施されており、現金機器への対応に課題が生じている。

和歌山県内では、対応が遅れたり負担が重くなったりする中小事業所が出ている。補助金の欲求や負担の大きさが話題になっている。

新紙幣のデザインは渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎の肖像を使用。2004年以来のデザイン変更で、偽造防止強化とユニバーサルデザインの導入が目的。

20年ぶり新紙幣 機器の更新負担大きい中小事業所も

 日本銀行は3日、20年ぶりに新しいデザインの1万円札、5千円札、千円札を発行した。寸法は従来と変わらないが、偽造防止の細工や印刷方法を変更しており、現金を扱う機器は仕様変更が必要になる。紀南の中小事業所では対応が遅れていたり、負担が重くのしかかったりしているケースもある。

 和歌山県田辺市東山1丁目のセルフガソリンスタンドは、精算機を新紙幣対応に更新している。「ぎりぎりになるとメーカーが対応できないと思い、4月にはバージョンアップを済ませた。ただ、負担は大きい。対応せざるを得ない業者には補助金が欲しかった」と本音を漏らす。

 同市下万呂のラーメン店では、券売機の読み取り機能を更新していない。「更新には30万~40万円かかり、負担が大き過ぎる。国の都合によるもので、何らかの補助金がないか様子を見ているが、難しいだろう」と対応を検討している。

 同市のJR紀伊田辺駅前で、2カ所の駐車場を管理している会社は、1カ所は対応済みだが、もう1カ所は間に合わないまま新紙幣導入を迎えた。「業者に注文が殺到しているようで12月まで待ってほしいと言われている。この機にキャッシュレス対応機器への変更も検討したが、300万円かかるため断念した」と話した。

 新紙幣は1万円札が渋沢栄一、5千円札は津田梅子、千円札は北里柴三郎の肖像をデザインしている。デザイン変更は2004年以来。偽造防止の強化と誰でも利用しやすい「ユニバーサルデザイン」の導入が目的。