水道料値上げを検討 市議会一般質問 経営シミュレーションで赤字【山口】

AI要約

山口市は来年度から水道料金を値上げする必要性を検討しており、料金設定の見直しを行うことを決定。

水道事業と公共下水事業の経営状態が低下しており、料金改定が必要とされている。

市議会に結論を示すため、有識者で構成される委員会の意見を参考に検討を進めるとしている。

 山口市は、来年度から水道料金を値上げする必要性があり、改定率や時期を検討していることを明らかにした。市議会6月定例会一般質問初日の17日、山本浩二議員(やまぐち有隣会)の質問に野村和司上下水道局長が答えた。

 料金設定は、維持管理や施設の更新など経営に要する原価と利益を含んで算出する総括原価方式とし、経営環境の変化に合わせて見直している。

 1カ月当たりの水道料金は、2011年度に口径20㍉以下960円の基本料金と使った量に応じた従量制、下水道は15年度に1300円の基本料金とする現行の体系にそれぞれ改定された。

 直近の経営状態を示す23年度の決算で、水道事業は黒字ながら過去10年で最も低い数値で安定経営の基盤が徐々に損なわれていると判断。公共下水事業は22年度と同規模で黒字ではあるが、21年度以降は減少傾向で、経営に必要な資金量も十分に確保できず、経営体力は脆弱(ぜいじゃく)な状態。電気などの物価高騰の影響は続き、今後の経営にも影響を与えるとみている。

 野村局長は「経営シミュレーションによると来年度から決算ベースで赤字が避けられない見通しで、料金改定が必要」と理解を求めた。地域経済や公共政策など有識者でつくる委員会の意見を参考に検討を進め、近く結論を出して市議会に示すとした。