循環型農法でサラダ菜やリーフレタスを試験出荷 福島県二本松市の服部製作所が第二創業

AI要約

福島県二本松市にある金属プレス加工の会社が、アクアポニックスを取り入れた循環型農法に挑戦している。

水耕栽培と魚の養殖を組み合わせ、サラダ菜やリーフレタスを生産し市場に出荷している。

将来的には他の野菜やハーブの栽培も計画し、食育の一環として子どもたちの見学を受け入れる予定だ。

循環型農法でサラダ菜やリーフレタスを試験出荷 福島県二本松市の服部製作所が第二創業

 福島県二本松市渋川にある金属プレス加工の服部製作所は、野菜の水耕栽培と魚の養殖を組み合わせた循環型農法「アクアポニックス」の取り組みを始めた。先週から毎日、みずみずしいサラダ菜やリーフレタスを試験的に出荷している。同社アグリ事業部を担当する専務の服部克洋さん(37)は「地域の新しい目玉として育てたい」と意欲を語る。

 同社は1970(昭和45)年に創業し、金属プレス加工と自動車関連部品製造を手がけている。克洋さんは経済環境を展望し新分野進出を模索。現在の仕事とは全く異なる「食」に関わる事業に可能性を見いだした。父で社長の富男さん(65)と話し合い、第二創業として社内にアグリ事業部を設立。環境負荷が小さいなどとして近年注目されるアクアポニックスの導入を決めた。普及を進めている神奈川県の会社や先進例を視察し、研修を重ねた。

 工場の敷地内に約100平方メートルのビニールハウスを建てて、水耕栽培の設備と1千リットルの水槽を設置。タイに似た淡水魚テラピアの稚魚が泳ぐ水槽の水は、微生物の働きで栄養分を含む水となって水耕栽培に利用され、野菜を無農薬で育てる仕組みになっている。

 4月に稼働を開始し、サラダ菜やリーフレタスが青々と葉を広げる。12日から毎日少量ずつ市内の道の駅安達の農産物直売所に出荷し、1袋150円ほどで販売している。さわやかな味で、食べた人から「柔らかくておいしい」と好評だ。

 服部さんは「他にもいろいろな野菜を試しており、ハーブなども栽培したい。魚の出荷まではもう少し時間がかかるが、将来は子どもらの見学も受け入れ、食育に役立てていきたい」と話した。