「部員ゼロ」で存続の危機…7人で再出発した高校野球部、必死の勧誘に応えた野球未経験のドラマーら4人を得てようやく叶ったチーム作り…11人で甲子園目指す熱い夏
須坂市の須坂高校野球部は部員不足から存続の危機に直面しており、自主的に部員勧誘活動を開始する。
新たな部員として軽音楽部の狩野勇希さんが加入し、チームは再出発を果たす。
目標は夏の長野大会で1勝をあげることだが、まだ足りない部員数を補うために努力が続く。
甲子園出場を目指す高校球児たちの夏がまもなく始まります。
部員の確保に悩む学校も少なくない中で、存続の危機を乗り越え、大会に臨む学校が須坂市にあります。
須坂市の須坂高校。
「お願いします!」
午後4時、野球部の練習が始まります。
部員は、全員この春入学した1年生。
ただ人数は7人だけ。
このままでは試合をすることができません。
監督を務めるのは、社会科の教諭で野球部OBでもある丸山雄三(まるやま・ゆうぞう)さん。
今から13年前、丸山さんが高校生だった時代の部員数は50人以上。
熾烈なレギュラー争いが繰り広げられていたそうです。
丸山雄三監督:
「当時は私の学年で20人同期がいて、お互いが切磋琢磨しながらやっていました」
創部77年の伝統を持つ野球部。
夏の長野大会でベスト4まで進んだこともあります。
しかし丸山さんが2023年に監督に就任したときの部員はゼロ。
存続の危機に直面していました。
丸山監督:
「(今の部員の数には)正直びっくりして。私が異動する前に選手が少ないという事実を知ったので、驚いたんですけど、OBなのでなんとかしないといけないなと」
監督に就任して丸山さんが取り組んだのは、野球の魅力を伝えること。
生徒を対象に体験会も行いました。
熱意が通じたのか、1年生7人が入部。
野球部は再出発しました。
中澤倖之介(なかざわ・こうのすけ)さん。
監督の信頼も厚く、キャプテンを任せられチームを引っ張ります。
中澤倖之介主将:
「個性豊かなので、少し意見が違ったりしてしまうことがあるので、しっかりまとめて、夏までに結果が出せるように実力も付けていくことが大切だと思います」
中澤キャプテンを中心に自分たちで課題を見つけながら練習に励みます。
野球部の目標は、夏の長野大会に出場して、1勝をあげること。
しかし、野球は9人でプレーする競技です。
7人では、大会に出場できません。
そこで、野球部のメンバーは、新たな部員を勧誘することにしました。
声をかけた1人が。
軽音楽部の3年生、狩野勇希(かのう・ゆうき)さん。
1年生の頃から同級生と組んでいるバンド、「Blues driver(ブルースドライバー)」でドラムを担当しています。