5万㌔㍗規模DC今秋着工 ソフトバンク、苫東に用地取得

AI要約

ソフトバンクが苫小牧市で大型データセンター(DC)建設のための用地取得を終え、今秋に着工する方針を決定。

取得した用地は70ヘクタールで、2026年度には5万キロワット規模のDC開業を目指している。

ソフトバンクは再生可能エネルギーを利用し、地産地消型グリーンDCとして運用する構想を描いている。

5万㌔㍗規模DC今秋着工 ソフトバンク、苫東に用地取得

 苫小牧市で大型データセンター(DC)の建設を予定している通信大手ソフトバンク(東京)が、苫小牧東部産業地域(苫東地域)でDC用地約70ヘクタールの取得を終え、今秋に着工する方針を決めたことが、12日までに同社への取材で分かった。先行して整備する5万キロワット規模DCの工事に着手するもので、同社は「具体的に何月とは言えないが秋に着工する」としている。

 5月に株式会社苫東が分譲する、苫小牧市柏原の臨空柏原地区に用地約70ヘクタールを一括で取得した。取得費は非公表。ソフトバンク広報本部は「建物の面積など具体的なことはまだ言えないが、造成するため5月に約70ヘクタールを取得した。秋に着工予定で、2026年開業に向けて準備を進めていく」と説明している。

 同社は昨年11月、子会社のデジタルインフラ専業IDCフロンティア(東京)とともに、苫小牧で大規模DCを建設すると発表。まずは2026年度に5万キロワット規模のDC開業を目指し、自社の生成AI(人工知能)開発に必要なサーバーなどを設置する方針とともに、将来的には国内最大規模となる敷地面積70ヘクタール、受電容量30万キロワット超に拡張する見込みを示していた。

 同社は、高いデータ処理能力がある大規模な計算基盤環境を新たに構築することで、生成AIの開発やAI関連事業に活用する他、大学や研究機関、企業など産学官に幅広く提供する予定。DCで使う電力は再生可能エネルギーを100%利用する、地産地消型グリーンDCとして運用する構想などを描いている。

 これらの発表に沿う形で土地の取得を終えたことで、今後も計画通りDC整備が進んでいきそうだ。同社は詳細については明らかにしていないが、今秋にも土地の造成工事から始め、施設の建設は来春にも着手するとみられる。総事業費は約600億円の見込みで、経済産業省が最大300億円を補助する。