「空飛ぶクルマ」岐阜のベンチャー、有人ドローン試作機製作 大阪万博でのフライトが夢

AI要約

ものづくりベンチャーの白銀技研が有人ドローン初号機を製作し、展示やフライトの夢を描く。

創業者の西洋介さんが事業を軌道に乗せ、有人ドローンの構想実現に着手した経緯。

BEEDOL号の特徴やデザイン、大阪・関西万博での展示などの展望。

「空飛ぶクルマ」岐阜のベンチャー、有人ドローン試作機製作 大阪万博でのフライトが夢

 ものづくりベンチャーの白銀技研(岐阜県飛騨市古川町)は、試作の有人ドローン初号機を製作した。前後に固定翼を備える空中、水上両用の機体。今後はテスト飛行を繰り返し、2025年大阪・関西万博での展示やフライトの夢を描く。

 同社は23年5月、エンジニアの西洋介さん(39)=高山市国府町=が創業。岐阜高専を卒業後、大手電機メーカーを経て、飛騨地域の工作機械メーカーに勤務。まもなく手造りキーボードのキット製造、販売の事業を始めた。事業として軌道に乗ったことから、映像で最初に見たときから温めてきた有人ドローンの構想実現に着手した。

 機体は全長3・5メートル、全幅3・5メートル、全高2・3メートル。カーボン製で軽く、重量は操縦者の体重70キロを含め240キロ。推力55キロフォースのモーターを8機搭載する。前後に固定翼を備え、水平高速飛行に移ると翼が機体重量を支え、プロペラは前進だけに使用できるため電力消費の効率が良いという。最高速度は時速160キロの想定。4分の1スケール機で空中、水上のテスト済み。

 戦前、日本から米国本土までの太平洋無着陸飛行に初めて成功した機体「VEEDOL(ヴィードル)」号にちなみ、機体名は「BEEDOL(ビードル)」号。初号機は装飾を可能な限り排除。まだ構想段階の2号機はデザイン案にあるカヤックのような丸みを帯びた形状に仕上げる。

 「空飛ぶクルマ」の運航の構想がある大阪万博を見据え、西さんは「後発組だが、万博会場に自社のビードル号を展示やフライトができたら」と期待を膨らませる。事業化できるか判断するため、テスト飛行でデータの取得を続ける。県内でテスト飛行が可能な屋内施設を今後探していきたいという。