長崎・佐世保小6同級生殺害から20年、大久保小で集会 年に一度、続ける意味大きく

AI要約

長崎県佐世保市立大久保小で、20年前の殺害事件を受けて「いのちを見つめる集会」が行われた。

校長や地域住民が命の大切さを伝え、自分らしく生きることの重要性を強調した。

事件の概要に触れず、今を大切に生きる意識を育む取り組みが続けられている。

長崎・佐世保小6同級生殺害から20年、大久保小で集会 年に一度、続ける意味大きく

 長崎県佐世保市立大久保小で起きた小6女児同級生殺害事件から20年となった1日、今年も同小で「いのちを見つめる集会」が営まれた。黒田優一校長や地域住民の代表らが全校児童に、それぞれの言葉で命の大切さを伝えた。

 黒田校長が強調したのは、自分らしく輝いて、今を一生懸命生きること-。

 そのために大切なこととして、「自分の良さに自信を持つ」と「周りの人の気持ちを感じる心を持つ」の二つを挙げた。自分の良さとは勉強や運動が得意だったり、絵本や絵画などが好きだったり、仮に得意でなくても努力できること-などと例を挙げて説明。校長は集会後の取材で「自分らしく生きることが、自分や周りの命を大切にすることにもつながる」と込めた思いを口にした。

 地域住民代表で児童の前に立った松尾安弘さん(76)は同小卒業生でもある。「自分にもみんなのようにかわいらしかった時代があった」と切り出し、永遠ではない命には必ず終わりがくるとし「だからこそ、今ある命を大切に生きてください」と語りかけた。

 公民館長を務める松尾さんのもとには「いつまでも大久保小が事件を背負い続ける必要はない」との声も届いている。それでも年に一度、校長や住民代表が考え抜いた言葉を届け、子どもたちは自分なりに受け止める。この意味は大きく「続けるべきだ」と語る。

 一方、集会では事件の概要に触れないことがここ数年で定着している。ただインターネットなどを通じて事件を知っている子どもはいるとみられる。実際、この日参加した保護者の一人も家庭で事件のことを尋ねられた。「詳細を伝えるメリットは少ない」としつつ、「なぜ大久保小で集会をしているのか、(家庭では)ある程度は教えようと思い、伝えている」と話した。 (才木希、重川英介)