犠牲女児の机にヒマワリ2輪「花のように子どもたちにもそれぞれの美しさある」…佐世保女児殺害20年

AI要約

2004年に小学6年の女児が同級生に殺害された事件から20年を迎えた佐世保市の記事。現場となった市立大久保小で「いのちを見つめる集会」が開かれ、児童や保護者らが亡くなった御手洗怜美さんを悼んだ。

生け花指導者の瀬尾京子さんが怜美さんを偲び、大久保小へ花を贈り続けている様子。彼女の信念や思いが語られている。

瀬尾さんは花を通じて人々の心をやさしく、安らかにする力を信じ、子どもたちにもそれぞれの美しさを伝えたいと願い続けている。

 長崎県佐世保市で2004年に小学6年の女児が同級生に殺害された事件から1日で20年を迎えた。現場となった市立大久保小(黒田優一校長、110人)で「いのちを見つめる集会」が開かれ、児童や保護者ら計約160人が出席。亡くなった御手洗怜美さん(当時12歳)を悼んだ。

 佐世保市の生け花指導者、瀬尾京子さん(79)は、犠牲になった怜美さんや在校生のためにと、大久保小へ花を贈り続けている。

 「怜美さんの好きなかわいいヒマワリですよ」。あの日から20年となるのを前に、瀬尾さんは5月30日、校長室で保管されている怜美さんの机の上に小さなヒマワリを2輪生けた。

 同校では1995年から市教委の給食の「調理士」として働き、ボランティアで校舎の玄関などに花を生け続けた。99年に他校に転勤し、2004年3月に退職後、事件は起きた。

 「花には人の心をやさしく、安らかにする力がある」と信じる瀬尾さん。「私が花を生け続けていれば、事件は起きなかったかもしれない」と心を痛めた。退職後、県外に移り住んだが、10年ほど前に佐世保に戻った。事件のことが心から離れず、数年前から再び同校で花を生け始めた。

 月に1、2回、生花店で買った花を怜美さんの机や玄関などに生けている。「花のように、子どもたちにもそれぞれの美しさがあります。自分の花を大切にし、育ってほしい」。瀬尾さんはそう願っている。