“グルメ通”の地元記者だけが知る!本当は教えたくない名店【九州編】

AI要約

宮崎で地元記者がおすすめする店「お食事処ライオン」の歴史と魅力。米子さんから秋丸浩司さんへの店の引継ぎの物語。

店名の由来やメニュー、継承される想い、常連客との温かいやり取り。

40年にわたる歴史を受け継ぎながら、変わらぬ空間と人々の心を満たし続ける姿。

“グルメ通”の地元記者だけが知る!本当は教えたくない名店【九州編】

日々、昼夜問わずニュースを追う記者たち。彼らが中でも楽しみにしているのが食事のひとときだ。通常に比べてはるかに大きい寿司やワッフルから、2度の豪雨を乗り越えて復活したうどんまでストーリー豊かな店に記者は惹きつけられる。町の隅々まで駆け回った地元記者だからこそ知る名店を紹介したい。

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宮崎で地元記者がおすすめする店は、JR南宮崎駅にある「お食事処ライオン」。決して華やかではない、どこにでもある食事処であるが、歴史ある店ならではの懐かしさや、人の優しさを感じられる店だ。

「ライオン」は、旧国鉄の日本食堂 宮崎営業所で料理人をしていた中西幸一郎さんと、車内販売などを務めていた米子さんの夫婦が、日本食堂から経営を引き継ぎオープンした。幸一郎さんが修行していた東京の店にちなんで、「ライオン」と名付けたという。

出張や観光で宮崎を訪れる人、そして地元の常連さんも足しげく通う店になっていたが、2022年、米子さんが80歳になったことをきっかけに引退を決意。2人は“閉店”ではなく、店を引き継ぐ人を探すことにした。

店を引き継いでもらう事になったのは、近くで弁当店を営んでいた秋丸浩司さん。夫婦の想いと常連客の想いが詰まった店を引き継ぐのは、かなりのプレッシャーだったという。

それもそのはず。

米子さんは常連客の顔を見るだけで、注文を取ることなく食事を出していた。しかも「肉が嫌い・魚が嫌い」「ごはん多め・少なめ」など客ごとの好みを把握し、その人に合わせて「おまかせ定食」を出していたのだ。

「閉店前の1週間、お客さんがあいさつにすごく来られるので、プレッシャーでした。ただ、その人達をつないでいく事も僕の使命と思っている」(秋丸浩司さん)

「ライオン」という店名は、現在もそのまま使われている。中西夫妻の歴史を大切にすると同時に、店に思い入れのある人たちが来てくれるからだと秋丸さんは話す。

事業承継から間もなく2年。店を訪ねてみると、変わらぬ空間がそこにはあった。「おまかせ定食」(700円)「チキン南蛮」(900円)をはじめとする定番メニュー。和気あいあいと話をするグループ客。会計を終えた常連客に「気を付けて行ってきてね!」と声をかけるお店の女性。

40年に渡ってお客さんのお腹と心を満たしてきた中西さん夫婦の想いは、しっかりと引き継がれていた。そんな食事処の歴史に思いをはせながら、地元の人たちの温かいやり取りを見てみてはいかがだろうか。

(テレビ宮崎)

《お食事処ライオン》

住所:宮崎県宮崎市東大淀2-2-29