いつ行っても開いているパンの店は「閉められない店」だった【わがまちLink41】
浦添市にある24時間営業のパン店「ヒロシ屋」が長年愛される理由を取材。
店主の優しさや地元の歴史に根差したパン作りが人気の秘密。
戦後の学校給食用パン職人が起源で、浦添市を中心に展開するパン屋が続々と誕生。
沖縄県内各市町村の魅力をお伝えする「わがまちLink41」。
今回は浦添市で「いつ行っても開いている」と噂のパン店が長年愛されるワケを取材したー
■いつ行っても開いているあの店… 取材してみると
浦添市に住む上江洲記者は、浦添市のパン店「ヒロシ屋」が気になっていた。浦添市民の間で、「いつ行っても開いてる」と噂の店だったからだ。
今回取材してみると、なんと24時間、店を開けていることが分かった。「ヒロシ屋」が24時間営業のパン店になったワケを聞くと、そこには店主の優しさがあった。
▽上江洲まりの記者
「すっかり夜も更けてきました。外は真っ暗ですが、こちらの店からはあまいパンの香りが漂ってきます。どんな店なんでしょうか。行ってみたいと思います!」
浦添市で35年続くパンの店、「ヒロシ屋」。大人気商品の「ナポリ」などをはじめ、約60種類のパンが、長年ファンを虜にしている。
一見、普通の街のパン屋だが…
▽店主・沼野明美さん
「どうせ来てもらうなら、同じ24時間だったら明るくいてほしいんですよ。楽しく」
パンを買い求めるお客さんのため、24時間 ”閉められない” というのだ。
▽仕事帰りの女性
「夜ずっと開いてるんで、パン食べたいときはここに来ます!」
ーよく来るんですか?
「そうです。仕事帰りに開いてるので、明日のパンみたいな、朝ごはんみたいな感じで買いに来てます」
▽塾帰りの女子高校生3人組
「塾の合間とかに食べてるんですけど… 糖分補給にめっちゃいいです。おすすめです!」
■学校給食のパン職人だった「亀島ウト」さんが店の起源
明美さん家族が営む店の歴史は戦後の沖縄に遡る。戦後アメリカ統治下の沖縄。学校給食にはコッペパンが並んだ。明美さんの祖母、亀島ウトさんはこうした給食用のパンを作る職人だった。
ウトさんの子孫は県内に広がり、那覇市を中心に6店舗を展開する亀島パン、浦添のベーカリーソレイユなど… 数々の人気店が生まれた。
那覇市内を中心に県内6店舗展開する「かめしまパン」は明美さんのいとこや親戚が、浦添の人気パン屋「ベーカリーソレイユ」は明美さんの姉が営む店だという。
「ヒロシ屋」はトヨさんの息子・弘さんが平成元年にオープン。弘さんが病に倒れ、娘の明美さん夫婦がその看板を継いだ店だ。