50代、仕事をやめたらお金は?リタイア後にもらえるお金の制度

AI要約

退職金や年金を受け取る際の仕組みや注意点について、マネージャーナリスト税理士の板倉京さんのコメントを元に要約します。

退職金は一括受け取りか分割で受け取るかの2タイプがあり、企業によって異なる制度が導入されている。年金も公的年金と私的年金に分かれ、将来の受給額はサイトで確認できるが、条件によっては変動する点に留意が必要。

退職金や年金の受給時には税金などの諸条件が影響するため、正しい知識を持ち、準備をすることが豊かなリタイア生活のために重要。

50代、仕事をやめたらお金は?リタイア後にもらえるお金の制度

会社員は定年退職、フリーランスや自営業なら引退や廃業と、そろそろチラついてくる「リタイア」の2文字。そのときもらえるお金のこと、マネージャーナリスト、税理士 板倉 京さんに教えてもらいました。

リタイア後に受け取れるお金として、真っ先に思い浮かぶのが退職金。退職金=大金を一括で受け取るというイメージがあるけれど、退職金や年金事情に詳しい板倉京さんいわく、「法改正などもあり、退職金を給付する制度は多様化しています。どの制度を導入しているかは会社によって異なり、中小企業だと退職金制度そのものがないところも珍しくありません」と。

退職金制度は、大きく分けると、給付金を一括で受け取る“退職一時金”と、年金のように分割で受け取ることが可能な“企業年金”の2タイプ。どちらか一方のみを導入している企業もあれば、両方導入という企業もある。

「企業年金は、さらに3つに分かれます。1つ目は、会社が給付する額をあらかじめ決めている“確定給付企業年金”(企業型DB)。給付額は、勤続年数や給与などにより、会社が独自の基準を設けて決定するため、自分がいくらもらえるかは、勤務先に確認しないとわからないことが多いですね。2つ目は、企業が拠出する掛け金の額だけが決まっている“企業型確定拠出年金”(企業型DC)。会社は毎月一定額を掛け金として社員に提供するのみで、社員が自己責任で運用。運用成績しだいで、将来の給付額が変わるというもの。運用商品は、定期預金・保険・投資信託など、会社が契約している金融機関が用意する中から、社員が自分で選びます。運用成績は、金融機関のサイトなどを通じて確認できるため、将来受け取れる額をある程度予想できます。3つ目は、厚生年金基金。ただし、法改正によって解散を促され、今ではほぼ姿を消しています」

年金も、リタイア後のお金として大きな存在。こちらも、公的年金制度と私的年金制度の2つに分けられる。

公的年金は、国民年金の保険料を納めていれば国民誰もが受け取れる“老齢基礎年金”と、厚生年金の保険料を納めている会社員や公務員が受給できる“老齢厚生年金”の2種類。保険料は後者のほうが高いため、受け取れる年金額は多い。将来の年金見込み額は、「ねんきんネット」などで確認が可能。「ただし、年金見込み額は、現在の状況が60歳まで継続すると仮定してのもの。給与が下がったり、転職したりすれば変わるので、その点ご注意を」

私的年金に当たるのは、退職金制度のひとつでもある企業年金と、個人が任意で用意する“個人型確定拠出年金”(イデコ)と国民年金基金、民間の保険会社が展開する個人年金。いずれも、将来受け取れる見込み額がサイトなどで確認できるので、参考にしたい。

「退職金や年金は、受け取る時期や方法によって、課せられる税金が増えたり、受給額が減ることがあります。豊かなリタイア生活のためにも、今のうちに正しい知識をつけ、準備していただきたいですね」