強烈なニオイで敬遠される「カメムシ」が季節外れの大量発生? その原因と対策を専門家に聞いた【宮崎発】

AI要約

カメムシが春に大量発生している理由と対策について専門家の意見をまとめました。

宮崎県の農業試験場がカメムシの調査を行い、防除の呼びかけをしている状況について報告しました。

カメムシが春に大量発生する理由は2023年の暖冬の影響とされ、早い段階で駆除する重要性についても述べられています。

強烈なニオイで敬遠される「カメムシ」が季節外れの大量発生? その原因と対策を専門家に聞いた【宮崎発】

強烈なニオイを発することから敬遠されているカメムシが、いま大量発生している。この事態を受け、宮崎県の農業試験場も農家に対して防除を呼びかけているが、そもそも、なぜ春先に大量発生したのか?その原因と有効な対策を専門家に聞いた。

宮崎・都農町で病害虫防除情報を出す県農業試験場の職員のカメムシの調査に同行した。

バケツの中にはおびただしい数のカメムシ。県農業試験場では県内3カ所にトラップを設置し、農作物に害を与えるカメムシや蛾の数を週1回調べている。

宮崎県総合農業試験場・阿萬祐樹技師:

フェロモントラップを仕掛けていて、フェロモンに寄ってきたカメムシの数を数えて誘殺数を計測する。

今回は合計277頭がバケツの中に入っていた。阿萬技師によると、例年8~9月に誘殺数が増えてくるそうだが、春に100頭を超える誘殺数は珍しいという。

夏から秋にかけて増える傾向にあるカメムシの「春」の大量発生。その理由について、昆虫生態学を研究している南九州大学の新谷喜紀教授は、「2023年秋に大量発生した影響が、この春まで引き継いでいると考えられる」と話す。

南九州大学 昆虫生態学研究室・新谷喜紀教授教授:

冬の間に一定のものは死ぬと思われるが、昨冬は暖冬の影響でその割合が少ないこともあり、この春、異常に多いという現象が起こっていると思われる。

新谷教授によると、カメムシの嫌な臭いは、外敵から襲われたときに食べられないようにするために放つ臭いで、お腹側の足の付け根部分に左右穴があいていて、そこから臭いを出す仕組みになっているのだという。

南九州大学 昆虫生態学研究室・新谷喜紀教授:

カメムシ同士がお互いに臭いを出していて集まってくるという点もある。数匹集まった時点でどんどんそこに集まってくることを想定して、早い段階で駆除、取り除くということが必要。

室内にカメムシが入ってきた場合、刺激しないように切ったペットボトルなどに追い込み、外に逃がすといいそうだ。また、カメムシは照明に集まってくる性質があるが、LEDだと寄ってこないという。各家庭で対策を検討してみては。

(テレビ宮崎)