秀麗富嶽十二景一番山頂は修行の縦走だった! ダブル一番山頂からの絶景ピストンはガチ凄な美しさ【その2】姥子山

AI要約

雁ヶ腹摺山と姥子山は、秀麗富嶽十二景の一番山頂に位置する美しい山々で、マイカー登山で訪れることができる。

姥子山への登山は雁ヶ腹摺山からのセットコースが一般的であり、登り返しの厳しい実情もある。

公共交通機関を利用する場合は、アクセスが限られており、マイカールートでの登山が比較的容易である。

秀麗富嶽十二景一番山頂は修行の縦走だった! ダブル一番山頂からの絶景ピストンはガチ凄な美しさ【その2】姥子山

飛びゆく雁が腹を摺るごとく超えていく様からつけられたという山名が秀逸な雁ヶ腹摺山(がんがはらすりやま)は、山梨県大月市が認定した富士の眺めが美しい山「秀麗富嶽十二景」の一番山頂に選ばれています。そして同じ一番山頂に登録されている姥子山(うばこやま)が峰を連ねています。公共交通機関利用では、ちょっと難儀な2座をマイカー登山で堪能しました。

秀麗富嶽十二景の一番山頂に認定されている姥子山へは、マイカーでの雁ヶ腹摺山とのセット登山でその山頂を狙うパターンがほとんどです。雁ヶ腹摺山から約1時間少々のコースタイムで山頂の東峰を踏めますが、戻りは5割増しの1時間半以上かかります。雁ヶ腹摺山から姥子山へ向かう最中で、厳しい戻りの現実に気付きます。

標高1560mの大峠駐車場にクルマを置き、標高1874mの雁ヶ腹摺山まで標高差約300m。そこから一気に標高差400m降ります。そして姥子山取り付きからの登り100mほどで標高1503mの姥子山山頂に到達します。帰りには標高差400mの登り返しが待ち受けています。山頂より駐車場の方が標高が高いという事実に愕然とする登山者も多いかと思います。

ちなみに姥子山の単座登頂に挑むことも可能ですが、マイカーでは現状大峠を通る真木小金沢林道のみが通行可能(冬季閉鎖あり)なので、雁ヶ腹摺山との縦走一択になります。そこで公共交通機関を利用した2ルートとなりますが、これが大変。

ひとつはマイカールートの真木小金沢林道を走るバス路線ですが、残念ながら遥か手前のハマイバ前バス停が最終で、そこから徒歩で約3時間となります。また、もう一本の金山峠ルートに至っては最終バス停から約4時間前後の林道歩きが控えています。聞けば10kmほどの移動距離だそうです。健脚自慢の方ならまだしも、考えただけでも心が折れます。結果、400mの登り返しで済む雁ヶ腹摺山との縦走は、むしろ美味しい設定と言えますね。

縦走路上にはロックガーデン風苔むした巨石露岩帯の休憩スポットもあります。特別に難度の高い岩場やロープ場、鎖場があるわけではないので、姥子山へ下る登頂では足もとに注意を払い、姥子山からの下山での登りは自分のリズムで休憩を挟みながら登り切ることに徹しましょう。

姥子山山頂は地図では東峰と表記され手前に西峰の表記もされていますが、筑波山のような双耳峰ではありません。山頂標識は名もなきハイカー手描きの石が登山道上に置かれているだけです。肝心の東峰山頂には、あるはずの秀麗富嶽十二景標識も破損(画像は2023年初夏撮影)していました。

岩場の山頂からは南側に大きくひらけた大パノラマで、壮大な富士山がそこにありました。その大きさは雁ヶ腹摺山から見る富士山よりボリューム溢れるように感じられます。

取り巻く山々は西に雁ヶ腹摺山、大蔵高丸、ハマイバそして滝子山の小金沢連嶺が並びます。東側には高川山と道志山系が軒を並べています。同じ一番山頂の雁ヶ腹摺山に勝るとも劣らない秀麗富岳の絶景かと思います。秀麗富嶽十二景の一番山頂は2座の縦走で2度美味しい、しかも味変あり。さすが一番山頂の実力でした。