「赤ら顔で病院に駆け込む女性」が増加中…皮膚科専門医が警鐘を鳴らす「肌をボロボロにする化粧水」の正体

AI要約

女性に増えている「赤ら顔」の症状について、原因や診断方法について解説。

赤ら顔の原因である毛細血管拡張症や酒さについて詳細に述べられている。

過剰なスキンケアや一次刺激性物質が赤ら顔の原因になる可能性も指摘。

お酒を飲んだように顔が赤くなる「酒さ」という症状が、若い女性のあいだで増えているという。何が原因なのか。皮膚科専門医の西正行さんの書籍『美肌になりたければ、その肌ケアをいますぐやめなさい。』(自由国民社)より、過剰なスキンケアの危険性についてお届けする――。

■「赤ら顔」の女性が増えている

 私のクリニックを訪れる半数以上の患者さんが、女性です。そのうち多くの人が、ニキビや肌荒れ、シミなどの肌トラブルに悩んでいます。

 中でも最近、特に多いと思うのが、自分では気づかないうちに、「赤ら顔」を発症している女性です。

 「赤ら顔」と聞いて、どんな症状か思い当たるでしょうか。赤ら顔にまったく縁がない人は、ピンとこないかもしれません。

 「赤ら顔」とは、文字通り、顔が赤くなってしまうことをいいます。

 赤くなるといっても色の現れ方は人それぞれで、頬や小鼻の周りなど顔の中心だけが赤くなる人もいれば、顔全体がほてったように赤くなってしまう人もいます。

■「毛細血管拡張症」という病気

 顔が赤く見えるのは、皮膚表面の細い血管である毛細血管が、なんらかの原因で広がっているからです。これを「毛細血管拡張症」といいます。

 なぜ、患者さんからの訴えがないのにこれに気づいたのかというと、近年、皮膚科の診断ツールとして、ダーモスコピーという特殊な拡大鏡を使うようになったからです。

 もともとは皮膚の腫瘍やホクロなど、色素性病変を詳しく診察する時に使う道具なのですが、これを使って顔のシミを診察している時に、シミのある部分やその周囲の毛細血管が拡張していることに気がつくようになったのです。

■シミ取りレーザーでは取れない

 また、患者さんが「シミです」と訴えている部分が、実はシミではなく、毛細血管拡張が肉眼ではシミのように見えていたということもよくあります。

 もちろんその部分にシミ取りレーザーを照射してもそのシミ(もどき)は取れません。

 毛細血管拡張による赤ら顔を特徴とする疾患に「酒(しゅ)さ」があります。これは鼻や頬、顎などが赤くなる病気で、ほてりを伴い、肌が敏感になります。症状が進行すると、赤ら顔に加えてニキビ様のブツブツも現れてきます。

 顔全体が赤くなっていれば、さすがに自分でも気づくでしょう。

 でも血管の拡張がそれほどでもなかったり、顔の一部しか赤くなっていなかったりする場合には、顔に赤みが出ていることに気づかない場合もあります。

■「一次刺激性物質」が原因の可能性

 だから患者さんに「血管が拡張して、顔に赤みが出ていますよ」と指摘すると、「えっ、そうなんですか!」と驚かれるのです。

 毛細血管拡張症の原因はさまざまで、紫外線や摩擦、そして、「一次刺激性皮膚炎」といって、なんらかの物質に接触したことが原因で発症する場合もあります。

 私は多くの患者さんにおいて、ある共通の「一次刺激性物質」が原因になっていると考えています。