多様な国々、人々が一つに―大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」つながる:パビリオン建設も加速

AI要約

2025年4月に開幕する大阪・関西万博。世界最大級の木造建造物「大屋根リング」がつながり、記念式典が9月13日に開催された。

万博テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。それを表現した「シグネチャーパビリオン」と大屋根リングが注目を集めている。

大屋根の総工費は344億円で、遊歩道や周回路など様々な施設が設置され、万博の開幕に向けて準備が進んでいる。

多様な国々、人々が一つに―大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」つながる:パビリオン建設も加速

土師野 幸徳(ニッポンドットコム)

2025年4月に開幕する大阪・関西万博。世界最大級の木造建造物「大屋根リング」がつながり、記念式典が9月13日に開催された。

約7カ月後に迫る2025年大阪・関西万博。会場となる大阪市此花区の人工島・夢洲(ゆめしま)で、全周2キロを誇る木造建築「大屋根リング」がつながり、9月13日に記念式典が開催された。大阪関西万博会場デザイン・プロデューサーの藤本壮介氏や大阪府の吉村洋文知事などが参加し、報道陣にもお披露目。登壇した2025年日本国際博覧会協会の十倉雅和会長(経団連会長)は「大阪・関西万博のシンボルの一つになるものと確信している」と、出来栄えに自信を見せた。

今回の万博テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。それを日本人クリエイターらが表現した「シグネチャーパビリオン」(テーマ館)や、海外パビリオンを取り囲むように建造されたのが大屋根リングだ。

万博の核となるエリアへの入場門となると同時に、高さ12メートルを周回できる遊歩道「リングスカイウォーク」は会場を見渡す展望台にもなる。

一方、建物内の地上階にある「リンググラウンドウォーク」は、風雨や日差しを避けながら木造建築技術の美しさを楽しむ周回路になるだろう。

大屋根の総工費は344億円で、約2万7000立方メートルもの木材を使用。柱や梁、床などの工事は一段落し、開幕に向けてエレベーターの設置や植樹など終盤作業が進む。

資材調達や施工業者の選定が難航し、建設が危ぶまれていた海外パビリオンも157カ国分の配置が固まるなど見通しが立ってきた。藤本氏は「多様な国々、多様な人々が一つにつながり、思いを一つにして未来をつくっていく。(リングがつながったことは)その第一歩となる」と述べた上で、「万博のメインはリングではなく、この中に造られるパビリオン。世界の国々がさまざまな素晴らしさを持ち寄ってくる。それをつなぐリングの役割がより明確になってきた」と感慨深げだった。