語学習得の基本は「聞く・話す」から始めるべき理由【最強の外国語習得法】

AI要約

独学で12ヵ国語を習得したKazu Languagesさんの外国語学習法について紹介。

学習法は「ネイティブの発音を真似る」「実践的な文法を学ぶ」の2ステップに分かれる。

フレーズのストックと正しい発音の重要性、初期段階の学習を重視する方法が解説されている。

語学習得の基本は「聞く・話す」から始めるべき理由【最強の外国語習得法】

語学が堪能だったら、「仕事や趣味の選択肢がもっと広がるだろう」、「海外旅行がもっと楽しくなるだろう」と思っていても、語学学習はなかなか継続しにくく、何度も挫折している人も多いでしょう。ましてや独学なんて無理! とほとんどの方が思っているかもしれませんが、『ゼロから12ヵ国語マスターした私の最強の外国語習得法』(SBクリエイティブ)の著者であるKazu Languagesさんは、日本で生まれ育ちながら、たった5年間で12ヵ国語(スペイン語、英語、フランス語、アラビア語、インドネシア語、ロシア語、ポルトガル語、ドイツ語、トルコ語、中国語、タイ語、韓国語)を習得しました。本書では、ほぼ独学で多言語話者となった著者が、遊ぶように学んで外国語を習得する極意を公開しています。

今回は、Kazu Languagesさんが実践した「最も効率的な外国語習得のステップ」をご紹介します。今度こそ、語学を習得したいと考える人は必読の一冊です。

文/Kazu Languages

紹介する言語習得のメソッドは、大きく(1)「ネイティブの発音を真似る」(2)「実践的な文法を学ぶ」の2ステップに分かれています。最初に「文法と多少の単語」を学んでから会話力を身につけていくのではなく、まず「実践的なフレーズを、ネイティブの発音を真似して声に出す」というのを、徹底的に積み重ねます(ステップ(1))。

そこでフレーズを頭の中にストックしつつ、リスニングとスピーキングの素地を作ってから、文法を学んでいく(ステップ(2))という順序です。ステップ(1)でリスニングとスピーキングの素地を作るといっても、まだ文法的な知識はゼロですから、ただひたすらネイティブの発音を聴いたまま声に出してみるだけです。文法という論理的な裏付けのない状態で、その言語の発音に慣れながら「聞く・話す」の感覚を身につける。まずそこから始めるという意味で、この外国語学習法を私は「感覚的な学び方」と呼んでいるのです。

リーディングとライティングの素地は、主にステップ(2)で作られます。便宜上「ステップ」とは呼んでいますが、リスニング、スピーキング、リーディング、ライティングの4能力をひとつずつ完結させていくのではありません。ステップ(1)とステップ(2)でひととおり素地を作ったら、後は同時進行ですべての力の精度を徐々に高めていくイメージです。

◆「実用的なフレーズ」をストックする、「正しい発音」を身につける

ステップ(1)には、主に2つの目的があります。

ひとつは、そのままネイティブに対して使える「実用的なフレーズのストック」を作ることです。コミュニケーションツールとしての言語を学んでいるときに、最も手応えを感じるのは、覚えたことがネイティブとのコミュニケーションで活きたとき、あるいは「こんなときに使えそうだな」というイメージが湧いたときでしょう。たとえ、まだ文法をまったく知らない段階であったとしても、ネイティブが普段使っているフレーズをスラスラと言うことができれば、コミュニケーションは成立してしまいます。もちろん、本当に自在な語学力を身につけるには文法の知識が不可欠です。しかし初期段階では、そのまま使えるフレーズのストックを作ったほうが実践的であり、なおかつ実践的な手応えにより意欲を保ちやすいのです。

もうひとつの目的は、ネイティブの発音をひたすら真似ることで、学び始めの段階からしっかりとした発音を身につけることです。最初に、ある程度、正確な発音を身につけてしまうと、その後の学習をかなりスムーズに進めることができます。

繰り返しになりますが、本書では「コミュニケーションツールとしての言語」を習得することを目指しています。にもかかわらず、文法知識で頭をいっぱいにして、いざネイティブと話してみようと思ったところで発音につまずいてしまったら、もどかしい思いをしてしまうでしょう。だからこそ、ごく初期の段階で、実用的なフレーズと一緒に発音も身につけておいたほうがいいのです。完璧でなくても、その言語の音の特徴をつかみ、「こんな感じで発音する」という感覚を得るだけでも十分です。