「私が移住を決めた理由」 たった1度で虜「美しいニッポン」3つの原風景とは?

AI要約

移住ブームが続く中で、都心部から秋田県への移住体験を紹介。

自然豊かな山々の景観や田んぼの美しい風景に感動し、ドライブを楽しむ日々。

一方で、首都圏に比べて虫が多いことが苦手だったが、田んぼの景色が生活の中の癒しとなっていた。

「私が移住を決めた理由」 たった1度で虜「美しいニッポン」3つの原風景とは?

 移住。ここ何年かの間によく耳にする言葉だ。東京をはじめとする都心部から地方へ移住する人も増え、UターンやIターンなど移住を表す言葉を目にする機会も多く感じる。

 筆者自身、数年前に都心部から秋田県へ移住し、1年ほど住んでいた経験がある。今回はそんな移住経験者である筆者が、移住のメリット&デメリット、都心部との違いを紹介する。

 筆者は地域おこし協力隊として、縁もゆかりもない秋田県に移住した。一度秋田県を訪れただけで、これまで生活してきたどの地域にもない自然環境と、魅力的な地域の文化や雰囲気に惹かれ移住を決めてしまった。つまり、ほとんど地域のことを知らない状態で、半ば勢いで移住したのだ。

 だからこそ地域住民には日常でも、首都圏から来た筆者の目には特別に映る景色があったのだ。

 住み始めて最初に惹き付けられたのは山々の風景だった。秋田県内で有名な鳥海山をはじめ、辺りを見回すと山を近くに感じられる地域が多いのが印象的で、その光景に毎日のように感動していた。

 いわゆる車社会の秋田での生活は、どこに行くのにも車が必要だ。首都圏にいたときには運転する機会も少なく苦手意識があったが、出かける度に山々が違った表情を見せることもあり、いつしかドライブが好きになっていた。

 移住当初は緊張もあり、運転するだけでいっぱいいっぱいだったが、山の景色によって運転を楽しいと思えることができるほど好きな風景だったのだ。

 秋田県といえば、米の産地として有名だ。旅行などでたまに見かけることはあれど、一年を通して田んぼの景色を見られるのは、やはり米どころだからだろう。

 家のすぐ近くに田んぼがあったので、毎日のように田んぼの景色を見ていた。どの時期も田んぼはすてきな景色を見せてくれるのだが、5月あたりの水鏡の景色。9月から10月にかけて見られる稲穂が首を垂れている光景がとくに好きだ。

 水鏡の景色では、田んぼに水が張られ始めた時期に、風景が水面に反射して見える。周りの自然が水面に映る光景を日常的に見られる環境は本当に贅沢で、つい長時間見入ってしまう。

 稲穂が実り、首を垂れてる光景を見ると、水を張った田んぼから田植えをし、稲が成長する一連の風景を見てきているからか、感動すら覚えるのだ。

 ひとつ苦手だったことは、虫が首都圏に比べて大量にいたことである。虫がいるのはわかっていたものの、網戸に思った以上に虫がいて外でなかなか洗濯物が干せなかった。そして、虫の鳴き声も夜になるとよく聞こえるので、特に移住しはじめの頃は気になることも多かったのだ。

 だが、それを補って余りあるほど田んぼの景色は生活の中の癒しとなっていた。