"映え"に必死の現代人。「友人関係すら作りもの」「嫉妬してしまう」など、友情にも変化が起きていると英専門家が指摘

AI要約

ソーシャルメディアが友情関係に及ぼす影響について心理学者が解説。見せかけの友情表現が増加し、嫉妬や疎外感を引き起こす可能性がある。

友人関係におけるプレッシャーや自己主張の必要性による精神的影響が懸念される。SNS離れが解決策として提示される。

若者を中心にSNSがメンタルヘルスに与える影響が懸念され、専門家から警鐘が鳴らされている。

世界中のニュースやトレンドだけでなく、友人の人間関係や行動までもソーシャルメディアで把握できてしまう現代。今年6月、ある心理学者が「SNSが友情にどのような影響をもたらすか」について解説し、話題になった。現代は一体どのような友情関係を築いている人が多いのだろうか?

現代の友情関係についての動画をTikTokに投稿したのは、英国心理学学会のアカウント。公認心理学者でメンタルヘルスに関するオンラインコンテンツも手がけているアリソン・マクリモント博士は、「ソーシャルメディアには、見せかけの友情表現が増えた」と説明した。

また、人によっては「嫉妬」を呼び起こすことがあるという。

「たとえば、自分の親友や特別な友人だと思っていた人が他の誰かと出かけているのを見れば、突然"疎外感"を感じるでしょう」

この人とも仲が良いんだ、と感じたり、私よりも親密な仲なのかなとほんの少し気になったり、仲間外れになった友人は、そのような強い感情に陥ることが多い。そして、「自分だって価値ある存在だ」と証明するために、羨ましくなるようなプレゼントを買ったり、インスタグラムに載せた時に写真映えするような社交的な外出をあえて計画したりして、必要以上に友情をアピールしなければならないというプレッシャーを感じるようになるかもしれないとのこと。

「金銭的、時間的な浪費は、実際に人々の精神的健康に影響を及ぼし始める可能性があります」とマクリモント博士。さらに人々が「他者との日々の気軽な交流を楽しめなくなっている」と主張しており、その代わりに友人として役割を果たさなければという“プレッシャー”を感じ、それが燃え尽き症候群につながっているという。

解決策はとてもシンプルで、ログオフにしてそのアプリを見ないようにしてしまうこと。いっそユーザーにならなければいい。マクリモント博士は、スマホの画面ではなく、自分の周りの世界に集中するよう勧めている。また同動画のコメント欄には、現代の友情表現が見せかけになっていると共感する声が集まっている。

「もし写真や動画を撮ることができなかったら、わざわざしないことがたくさんあると思う。今の生活はすごくパフォーマンス的で、すべてが作り物のような感じがする」

「まったくその通り。私の10代の子どもたちにもそういうことが起きてる。とっても悲しい」

スマホが手放せなくなった今、SNSから離れるのが難しい人もいるはず。しかし多くの専門家たちは、SNSが特に10代の若者たちのメンタルヘルスに与える影響について警鐘を鳴らしている。

「SNSは子どもたちが不安やうつの症状を経験するリスクを高める」と述べている専門家もおり、中毒性があることから“タバコ警告表示”のような警告ラベルを表示すべきだと主張する人もいるよう。