約100の部族が集結!パプアニューギニアの「ゴロカショー」村長達の決断で“争い”が文化の祭典に

AI要約

パプアニューギニアのゴロカショーは、毎年3日間にわたって行われる大規模な祭典で、約100の部族が集まって伝統的な踊りや音楽を披露する。

お祭りは部族同士の争いを平和的に解決するために始まり、地元料理や儀式も楽しめる。

観光客も自由に見学できるフェスティバルであり、2024年の開催は9月13日から15日に予定されている。

約100の部族が集結!パプアニューギニアの「ゴロカショー」村長達の決断で“争い”が文化の祭典に

 ブラジルのカーニバルやスペインのトマト投げ祭り……。世界にはさまざまなお祭りがありますが、赤道近くの大小1400もの島々からなる国・パプアニューギニアには、「ゴロカショー」と呼ばれる祭典が存在します。なんと約100の部族が集まるそうで、大々的な規模であることがうかがえます。

 一体どのようなものなのか、歴史や成り立ちについてパプアニューギニアの旅行会社「PNG JAPAN」(本社:東京都千代田)に詳しく聞きました。

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 パプアニューギニアで毎年3日間にわたっておこなわれる「ゴロカショー」。ニューギニア島中央部・東ハイランド州にある町、ゴロカを中心に約100の部族が集まり、伝統的な踊りや音楽が披露されます。

 そもそもパプアニューギニアには、人口約1000万人のうちパプア人やニューギニア人、高地族をはじめ800以上もの部族が暮らし、言語も800以上が日常で使用されています。ゴロカショーが始まったきっかけは、そんな多くの部族が暮らす国ならではの理由なのだとか。

「パプアニューギニアでは、部族同士の争いがたびたび起こっていました。 その様子を目にしたオーストラリアの統治官たちは、それぞれの部族が誇る文化を通じ、平和的な方法で競い合うお祭りを思いつきます。そして、申し出を受けたゴロカ地区の村長たちが集まり、互いの伝統的な歌・踊り・音楽を披露し合う場として始まったのがゴロカショーなのです」(PNG JAPAN)

 お祭りに欠かせないといえば、やはり食べ物。会場には地元のさまざまなファストフードショップが並びます。とりわけパプアニューギニアらしいのが「ムームー」と呼ばれる伝統料理です。

「ムームーとは、パプアニューギニア全土、さらに太平洋島諸国の多くで人が集まる時に振る舞われる料理です。地面に穴を掘ってバナナなどの葉に包んだ肉や野菜などを入れ、焼いた石を入れて水をかけ、大きな葉で穴にふたをして蒸し焼きにするという古くから伝わる料理法で作られます」(PNG JAPAN)

 また、パプアニューギニアでは冠婚葬祭や成人式など、いわゆる儀式も村単位でおこなわれています。部族ごとに独自のおきてもあり、限られた人だけが参加する土着宗教儀式の面が強いようです。

 そう考えると、100の部族が集まるゴロカショーも、直接関わりのある人以外はなかなか入り込みにくいように思えるのですが、実際のところどうなのでしょうか…?

「ゴロカショーは儀式的なものではなく、あくまでフェスティバルなので、誰でも気軽に見物することができます。海外からの観光客も多い一方、各部族はこの日のために村を上げて準備し、出演者とその家族や友人・知人などが大挙してゴロカに集結してきます。そのため、『地域をあげてのお祭り』という側面も強いといえるでしょう」(PNG JAPAN)

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 毎年、9月におこなわれるゴロカショー。2024年は9月13日~15日の開催となっています。入場料は3日間で約1万円弱となっており、多くの観光客が見物に訪れるのだとか。パプアニューギニアの部族がそれぞれの音楽や踊りを披露しようと集うお祭り、一度は見てみたいものです。

(取材・文=つちだ四郎)