街とアートの連携深めた横浜トリエンナーレ 社会支える文化芸術活動へ アートでつなぐヨコハマ(12)

AI要約

"アートでつなぐヨコハマ"プロジェクトが、横浜市芸術文化振興財団の活動を紹介している。

横浜市内の施設を活用した文化芸術活動や地域コミュニティーの活性化が行われている。

都心部と郊外部を繋ぐ都市マネジメントの重要性が着目されており、市民との協働が強調されている。

街とアートの連携深めた横浜トリエンナーレ 社会支える文化芸術活動へ アートでつなぐヨコハマ(12)

令和5年9月から始まった「アートでつなぐヨコハマ」では、公益財団法人横浜市芸術文化振興財団のさまざまな活動を紹介しました。それぞれの施設に根差した文化芸術活動の取り組みの中に、「施設の扉を拡(ひろ)げて」「施設の壁を越えて」「街の中へ」「市民とともに新たな領域を拓(ひら)いて」といった活動の可能性を私は感じています。それは「今、この場所だから」という現場感覚から契機が生まれるのでしょう。

■都心部の魅力的な公共空間生かす

今年の3月から6月まで開催されていた横浜トリエンナーレは「まちにひろがるトリエンナーレ」を掲げ、街との連携を深めましたし、横浜みなとみらいホール休館期間中のクラッシック音楽を市民に届ける試みやクイーンズスクエア横浜の公共空間での演奏会の実現もありました。改修工事で2年半、休館中の横浜能楽堂は「OTABISHO」をランドマークプラザ内にオープンして 能狂言を軸に日本の芸能文化の情報発信の活動を始めています。また、都心部に広がる魅力的な公共空間を生かしたダンスやジャズ公演、パブリックアートの展示などの街中での活動も続けてきました。

市内で活動する美術家やデザイナーとともに取り組む街づくりや地域コミュニティーの活性化、社会課題の解決への支援活動も行っています。こうした事業の遂行には市民や専門家との相互理解と協働が必須です。現場のチームワークと組織全体の下支えが力になります。

いま、横浜都心部は、みなとみらい21地区の開発がほぼ完成の段階を迎えています。それは、開発で集積した多様な企業や人材という資産を力に新たな価値形成につなげる都市マネジメントのステージにあると捉えられます。4年前の新市庁舎のオープンは、みなとみらいと関内の新旧2つの都心の一体化を加速しています。また、郊外部も新たな地域展開の時期を迎えています。横浜が培ってきた街づくりと文化芸術活動の仕組みは新たな時代の社会基盤の役割を果たすことが期待されます。市民と地域とともに活動する財団に心がけたいと考えています。

(横浜市芸術文化振興財団専務理事 惠良隆二)