ささくれができやすい人に不足している栄養素とは?管理栄養士が解説

AI要約

ささくれができる原因の一つは栄養不足である。栄養不足により皮膚のバリア機能や新陳代謝が低下し、ささくれが起きやすくなる。

ささくれ予防にはたんぱく質、ビタミンA、ビタミンE、亜鉛、鉄などの栄養素が必要。バランスよく食事を摂取し、適切な栄養補給を心がけることが重要。

適切なハンドケアと併せて、栄養バランスの取れた食生活を送ることで、ささくれの予防や爪周りの健康を守ることができる。

ささくれができやすい人に不足している栄養素とは?管理栄養士が解説

ふと手元を見ると、爪の横や指周りにできているささくれ。水仕事や乾燥といった外的要因がありますが、実は栄養不足も原因のひとつであることをご存知ですか?本記事では、ささくれができやすい方に不足しがちな栄養素を解説します。ささくれ予防として保湿などのハンドケアをおこなうと共に、食生活や栄養も気にかけてみてください。

■栄養不足でささくれができるのはなぜ?

私たちの身体の表面は皮膚で覆われています。皮膚は外の世界のさまざまな刺激や異物の侵入から身を守っています。しかし栄養が不足すると細胞1つひとつに栄養が行き渡らず、皮膚のバリア機能が低下するだけでなく新陳代謝が下がります。ささくれが起きるのも、栄養不足によって指先の皮膚の健康が保たれていないことが考えられます。もし手元にささくれを見つけたら、食生活を振り返るのも大切です。

■ささくれ予防に必要な栄養素

ささくれは栄養不足のサインの一つです。ささくれを見つけたら、3食しっかり摂ると共に下記の栄養を意識してみましょう。

■■たんぱく質

たんぱく質は皮膚の構成成分であるだけでなく、皮膚の健康を保つ上でも重要な栄養素です。身体の末端である指先に栄養を届けるためにも、ダイエットによる欠食や偏食は避け、おかずをしっかり食べるようにしましょう。

■■ビタミンA

ビタミンAは皮膚や粘膜の健康を維持する栄養素です。肌の潤いキープにも関わっているため、乾燥によるささくれ予防にも効果的です。レバーに含まれることで知られるビタミンAですが、β-カロテンなどのプロビタミンA(必要に応じて体内でビタミンAに変換される物質)は緑黄色野菜にも含まれます。よって1品に偏ることなく、さまざまな食材を組み合わせて食べることが大切です。

■■ビタミンE

ビタミンEには血行を良くする作用があるため、身体の末端へと栄養を行き届けるためにも重要な栄養素です。血行が改善することで、皮膚の新陳代謝もアップします。ビタミンA,CとともにビタミンACE(エース)と呼ばれる抗酸化ビタミンでもあり、活性酸素のダメージから細胞を守る役割も果たします。

■■亜鉛

亜鉛は酵素の構成成分となるほか、体内の酵素反応を助けるはたらきもあります。代表的な欠乏症に味覚障害や皮膚炎があります。亜鉛不足はささくれなどの指周りだけでなく、爪のダメージにもつながりやすくなります。亜鉛は牡蠣に多く含まれることが有名ですが、肉類や大豆食品、海藻にも含まれます。複数の食材を組み合わせることで亜鉛を摂取しましょう。

■■鉄

ささくれは貧血のサインである可能性もあります。「貧血」と聞くと立ち眩みやめまいといった症状が思い浮かびますが、鉄不足の影響は指先や爪、髪の毛などに表れる場合もあります。月経のある女性は鉄が不足しがちであるため、赤身肉や赤身の魚を意識して摂りましょう。ビタミンCと一緒に摂ると鉄の吸収率がアップします。

■栄養補給とあわせて適切なハンドケアを

本記事では、ささくれができやすい方に不足している栄養素を解説しました。ご紹介した栄養素はささくれ予防のみならず、美容全般に必要な栄養素です。ぜひ普段の食生活でも意識してみてください。また、ささくれを見つけたときには丁寧にカットして悪化を防止することや保湿も大切です。適切なハンドケアをおこなうことで、爪周りの健康を守りましょう。

〈参考文献〉

・正しい知識で健康をつくる あたらしい栄養学|吉田企世子,松田早苗|高橋書店

・美肌成分事典|かずのすけ,白野実|主婦の友インフォス

・厚生労働省|e-ヘルスネット|たんぱく質

・厚生労働省|e-ヘルスネット|抗酸化ビタミン

・厚生労働省|e-ヘルスネット|鉄

ライター/栗城智子(管理栄養士)