生涯年収2億円とよく聞きますが、自分には稼げそうにありません。どのような人が2億円稼げるのでしょうか?

AI要約

生涯年収について、年収2億円を達成する難しさを説明

学歴や雇用形態、企業規模が生涯年収に与える影響について解説

女性の生涯年収が男性より低い理由について考察

生涯年収2億円とよく聞きますが、自分には稼げそうにありません。どのような人が2億円稼げるのでしょうか?

生涯年収はおよそ2億円と聞いたことのある人も多いでしょう。しかし、一般的に定年まで正社員で働いたとして、本当に2億円稼ぐことは可能なのでしょうか?

国税庁の令和4年民間給与実態統計調査によると、給与所得者の平均年収は457万6000円です。年収458万円として、大学卒業後60歳の定年まで38年間働くと1億7404万円となり、退職金などを2600万円程度もらわなければ年収2億円には届きません。

そこで今回は、年収2億円を達成するのはどのような人なのか、達成するためにはどうすればよいかなどについて解説します。

独立行政法人労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2022」によると、学校を卒業後、60歳の定年まで働いた場合(同一企業とは限らない)の退職金を含まない生涯年収は表1のようになります。

※独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2022」を基に筆者作成

年収2億円を超えるのは、男性の高校卒業以上、女性の大学・大学院卒業に限られます。学歴が高くなるにつれて生涯年収は上がっていき、勤続年数では中学卒業がもっとも長くなるものの、生涯年収は少ない結果となっています。

この点から、学歴が生涯年収に大きくかかわっていることが分かるでしょう。女性の生涯年収が男性よりも低いのは、出産や育児などにより、キャリア形成が中断されたり短時間労働になったりすることなどが原因のひとつと考えられます。

学歴以外にも、生涯年収に影響を与える要因の1つが雇用形態です。

例えば、「ユースフル労働統計2022」によると、正社員で働いた場合の男性(大学・大学院卒業)の退職金を含まない生涯年収は2億6190万円ですが、非正社員の場合は1億5990万円とおよそ1億円の差があります。

また、企業規模も生涯年収に大きな影響を与えています。表2は、男性(正社員)の退職金を含まない生涯賃金を学歴・企業規模別に表したものです。