「頭がぼーっとする…」「鼻炎がつらい…」“鼻づまり”の対処法や上手に付き合うコツを医師が解説!
鼻炎と副鼻腔炎について解説された記事。鼻炎はアレルギーによる鼻腔の炎症で、症状はくしゃみや鼻水、目のかゆみが主な特徴。
アレルギー性鼻炎の治療法は、飲み薬や点鼻薬などで症状を改善する方法や、抗原を避けることが挙げられる。
副鼻腔炎は、副鼻腔に炎症が起こる疾患で、症状は咳や痰、膿が溜まること。治療法は薬物療法や内視鏡手術もある。
「頭がぼーっとして集中できない」「アレルギーや鼻炎症状がつらい」といった悩みを抱えている人にとって、日常生活に支障をきたす鼻づまりの症状を少しでも楽にする方法があれば知りたいものです。また、医療機関での治療も含め、上手に付き合うコツも気になります。今回は、鼻炎症状に対する治療や上手く付き合う方法などについて、「なのはな耳鼻咽喉科」の境先生に解説していただきました。
[この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
編集部:
まず、鼻炎について教えてください。
境先生:
文字通り、鼻腔の粘膜に炎症を起こった状態を鼻炎と言います。炎症が起こる原因は様々ですが、なんらかのアレルギーによって炎症が起こる「アレルギー性鼻炎」であることが多いですね。アレルギーにもいくつかの種類があり、アレルギー性鼻炎は鼻粘膜で起こるI型アレルギーに分類されます。
編集部:
なぜ、炎症が起こるのでしょうか?
境先生:
アレルギー性鼻炎の場合、大きく「通年性アレルギー性鼻炎」と「季節性アレルギー性鼻炎」に分けられます。通年性アレルギー性鼻炎は、ハウスダストやダニが原因となって起こることが多い一方、季節性アレルギー性鼻炎はスギやブタクサなどの花粉での発症がほとんどです。いわゆる「花粉症」ですね。
編集部:
副鼻腔炎とは違うのですか?
境先生:
副鼻腔炎は、鼻腔のさらに奥にある「副鼻腔」に炎症が起こる疾患なので、炎症の起こる場所が違います。副鼻腔にウイルスや細菌が感染することで起こり、3カ月以上も続くような慢性の副鼻腔炎は「蓄膿症」とも呼ばれます。
編集部:
アレルギー性鼻炎の症状を教えてください。
境先生:
くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状が代表的です。くしゃみは何度も何度も出る反復性のもので、鼻水は粘りが少なくサラサラとしています。
編集部:
鼻炎には、どのような治療法があるのですか?
境先生:
アレルギー症状を抑える飲み薬や点鼻薬、目薬などで症状の改善を目指します。近年は眠気が出にくい飲み薬も増えてきたので、強い眠気を感じずに治療をすることが可能になりました。また、アレルギーの原因がはっきりしている場合は、可能な限り抗原(アレルゲン)を避けるようにしていただきます。
編集部:
副鼻腔炎の症状についても教えてください。
境先生:
炎症によって咳や痰、副鼻腔に膿が溜まって粘り気の強い鼻水が出ます。ときには、頭痛や鼻水が喉奥に垂れてくる「後鼻漏」などもみられます。
編集部:
副鼻腔炎に対しては、どのような治療をするのですか?
境先生:
溜まっている膿を取り除いたり、抗生物質や炎症を抑える薬を服用したりすることで治療を進めていきます。そのほか、痛みがある場合には痛み止めを、鼻水の粘りが強いときには粘り気を調整する薬なども使用します。さらに、飲み薬で治らない場合には、内視鏡手術が検討されます。