今日が「最悪な一日」だったとしても大丈夫…「真面目すぎる人」がマイナス思考から抜け出す「ちょっとしたコツ」

AI要約

真面目な人ほど、夜寝る前に振り返り過ぎて悩みがち

メンタルコーチがマイナス思考から抜け出すコツを指南

プラス面を見出す習慣が明るいチームづくりに繋がる

今日が「最悪な一日」だったとしても大丈夫…「真面目すぎる人」がマイナス思考から抜け出す「ちょっとしたコツ」

真面目な人ほど、夜寝る前にその日のできごとを振り返って「ああすればよかった」と思い悩みがちだ。しかしそれは、メンタルだけでなく身体にも悪影響を与えるという。

慶應義塾高校を107年ぶりの甲子園優勝に導いたメンタルコーチで、著書に『強いチームはなぜ「明るい」のか』がある吉岡眞司氏が、前編記事にも登場した真面目すぎる中間管理職・Kさんの事例を通じて、マイナス思考から抜け出す「ちょっとしたコツ」を教える。

人間、長年築いてきた反省のスタイルを変えることは簡単ではないかもしれません。最悪な一日を過ごした夜などは、どうしてもマイナスなことばかりに気をとられてしまいます。

前編記事にも登場した真面目すぎる中間管理職・Kさんに尋ねてみました。

「今日、何かよかったことはありましたか?」

「いえ、それが今日は最悪な一日で、悪いことばかり思い出してしまって……」

「どんな些細なことでもいいのです、強いて挙げるとしたら、どうでしょう?」

「うーん、強いて言えば、部下が忙しそうに対応に追われていたときに、私が率先して何本か電話をとったくらいかな……」

「いいですね! Kさんが率先して電話に出たとき、部下の反応はどうでしたか?」

「電話が終わった後、庶務の女性が『○○課長、ありがとうございました』と言ってくれました」

「そのときどんな気持ちになりましたか」

「いや……まぁ、うれしかったですね」

――こんな調子で、Kさんとのセッションは地道に続いていきました。

そして、3カ月が経った頃、Kさんが次のように言いました。

「そういえば最近、朝起きたときの感覚が違うというか……ぐっすり眠れるようになったように思います」

さらに数カ月が経った頃には、「部下や上司との関わり方が、だんだん円滑になってきました」といったポジティブな言葉が聞かれるようになりました。

小さな「よかったこと」を積み重ねていくうちに、状況がどんどん好転していったKさん。チームの雰囲気もだんだんと明るくなり、管理職としての自信を深めていったのです。

今はKさん個人のケースとして紹介しましたが、チームでも、お互いにいいところを見つけ、伝え合うことは「明るいチーム」づくりにおいて大切です。

私たちはとかく、「服装がだらしない」「喋り方が気に入らない」「目つきが悪い」など、人の悪いところ、マイナスなところに目が行きがちです。だからこそ、普段からプラス面を見出すように意識する必要があるのです。

「いいところ」探しを習慣化することで「相手のことをもっと観察しよう」という意識が高まり、相手やチームについていろいろなことが見えてくるようになります。視野が広がり、どうしたらチームがもっとよくなるか、という改善点も見つかりやすくなるわけです。