【ヤバイ給食】脱プラで牛乳ラッパ飲み→見かねた親が給食用ストローを持たせる。ズレたエコ感覚が入り混じる「現代の給食現場」

AI要約

牛乳パックのストロー廃止による混乱や環境への影響について、危機管理コンサルタントが指摘している。

夫が妻のエコ活動に疑問を持つ日常のエピソードを通じて、家庭内でもエコ活動の実践に関する問題が浮き彫りになる。

環境への配慮と実践の間に生じるズレを考えさせられる記事。

【ヤバイ給食】脱プラで牛乳ラッパ飲み→見かねた親が給食用ストローを持たせる。ズレたエコ感覚が入り混じる「現代の給食現場」

給食用の牛乳といえば「瓶」のイメージを持つ世代も多かろうが、今や大半が紙パック化されていることをご存知だろうか。

なおかつ、昨今では脱プラ化のため、牛乳パックに付属していたプラスチックストローを廃止するという「エコ活動」が推進されており、子供が紙パックから牛乳を直飲みしている実態に対して多くの意見が噴出している。

こうした身の回りのプラ製品の紙化・廃止傾向について、危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう語る。

「脱炭素・脱プラが叫ばれていますが、プラ製品の環境汚染は、その処理の仕方によって環境への影響も大きく変わるという指摘もあります。牛乳瓶は洗浄・輸送コストが高いなどの理由で廃止となりましたが、牛乳パックのリサイクル事業も一筋縄では行かない模様。

瓶から紙パックに変わったことで回収業者が手を引き、リサイクルや廃棄を学校任せにしている地域もあるといい、それが原因で大阪の貝塚市および泉大津市は学乳制度からすでに離脱したのだとか。

子供たち・環境・学校にとって何がベストなのか、一度立ち止まってしっかりと議論することも必要なのではないでしょうか」

今回話を聞いたのは、妻の少しズレたエコ感覚について、かねてから違和感を感じていたという三田村太一さん(仮名)。小学校1年生と5年生、中学1年生の3児を妻とともに育てる会社員である。

太一さんは、今話題を集めているストローレス牛乳パックの件以外にも、レジ袋・エコバッグなどについて、妻の考え方に疑問を感じているという。

「下の子がこの春小学校に上がったのですが、入学早々妻が100均で個包装のプラスチックストロー60本入りというのを2袋買ってきました。理由を聞くと、子供たちの給食の牛乳パックにストローがつかなくなったから自分で用意すると言うんですよね」

なぜストローが付属しなくなったのか、薄々わかっていた太一さんだが、念のため妻に問うた。

「案の定、環境のためだそうです。プラ製品を廃除していく今の流れに沿う、ということのようですね。まあ、メーカーがそうなれば、こちらは従うしかないですから」

ところが妻が買ってきたのは、環境汚染に加担した張本人であるはずのプラスチックストローである。しかも大量だ。

「エコのために付属されなくなったプラスチックのストローを、なぜわざわざ買ってきたのかと言えば、小1の息子がストローなしでは紙パックの口から上手に牛乳を飲めないからだと言うんです」

何のためにストローの付属をやめたのか、と太一さんは考えた。また、環境に配慮するからプラのストローをやめるのだという意義・目的を子供たちはわかっているのだろうか、とも。

「子供は説明を受けているようだと妻は言いました。そして、もちろん妻自身も学校からのプリントでそれを理解していました」

理解したと言いつつ、なぜ非エコな行動に出ているのか、太一さんはどうも納得が行かなかった。それにしても、大量の使い捨てプラ・ストローを新たに買って持っていく以外に、手持ちのコップを持参して注ぐなどの方法は考えないのだろうか、という疑問が湧いた太一さんは、その旨妻に質問してみた。

「妻は、学校から『飲みにくいお子さんは、ストローをお家から持たせてくださいっていうプリントが来たのよ。コップとは書いていなかった』と言いました。いや、そのくらいの融通利かせてもいいだろう、と僕は思いましたね。何をどう突っ込んでいいのか……」

 

昨今の不合理なエコ機運に疑問を抱く太一さん。その流れは学校どころか自宅まで浸食していき……。続きは、後編で詳報する。

取材/文 中小林亜紀