友人に「献血をするとモバイルバッテリーがもらえる」と聞きました。献血するだけなのに豪華すぎませんか? お菓子も食べられて「お得」だと思うのですが、なぜいろいろともらえるのでしょうか?

AI要約

献血の意義や歴史、献血記念品について紹介。

献血の条件や献血後の配慮、記念品贈呈のルール。

献血記念品の転売禁止や献血キャンペーンの様子。

友人に「献血をするとモバイルバッテリーがもらえる」と聞きました。献血するだけなのに豪華すぎませんか? お菓子も食べられて「お得」だと思うのですが、なぜいろいろともらえるのでしょうか?

以前は堅いイメージのあった献血会場ですが、最近はモバイルバッテリーやキャラクターグッズのプレゼント、無料占いやアイスクリームの配布などがあり、何やら楽しげな場所になっているようです。

本記事では、献血の意味や歴史、献血記念品などについて紹介します。

献血とは、輸血が必要な人のために、健康な人が自分の血液を無償で提供することです。血液は人工的に作り出せないため、輸血には献血で集められた血液が使われています。

■献血できる人は

献血は誰でもできるわけではありません。まず年齢の制限があり、例えば全血献血では、200ミリリットルは16歳から69歳まで、400ミリリットルは17歳(女性は18歳)から69歳までが対象年齢です。

さらに体重や血圧、脈拍などにより、献血できないこともあります。また、一定期間内にワクチン接種をした人、海外から帰国した人、妊娠中の女性や心臓病・がん・ぜんそくなどに罹患したことがある人も献血ができない決まりになっています。

■血液は売買禁止

献血はボランティアですから、報酬は発生しません。1960年代までは民間の血液銀行が個人から血液を買い取っていましたが、時代を経て民間の血液銀行は消滅し、現在は日本赤十字社が行う献血により、輸血用の血液が供給されています。

なお現在は「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」により、買血は禁じられています。

献血をするとジュースやお菓子などが提供されることは広く知られていますが、これは献血後の体力回復に向けた水分・糖分補給のためで、報酬ではありません。

また以前は、献血をしてくれた人に図書券やクオカードが配られていましたが「金券=報酬」との考え方から廃止されたようです。

■多数献血者への記念品

多数の献血をした人には、日本赤十字社の規定により表彰が行われています。献血の回数が10・30・50回など一定回数に達するごとに日本赤十字社から記念品が贈呈され、さらに200回など多数献血者には、感謝状も贈られています。

■さまざまなキャンペーン

献血会場によっては、献血後にアイスクリームやドーナツ、ティッシュなどが配られたり、ネイルアートや占いなどのサービスが提供されたりしています。また各地でさまざまな献血キャンペーンが開催され、制汗剤などの日用品やキャラクターグッズ、自動車玩具や文房具などが記念品として進呈されています。

いくつか例を挙げると、2024年7月には神奈川県で初めて献血をする人向けのキャンペーンが開催され、先着順にモバイルバッテリーが贈られました。また大阪府では2回献血をした人を対象に「トミカ献血運搬車プリウスのミニカー」がプレゼントされたこともあります。

またラブラッド会員(ウェブの会員制献血予約サービス)向けに、血液バッグ型のエコカイロや保冷剤といった献血でしか手に入らないグッズも作られ、配布されました。その他にも、レトルトカレーやカップめんなど、キャンペーンごとにさまざまな記念品が出てきています。

■献血記念品は売却不可

しかし現在、こうした献血記念品がしばしばネットオークションやフリマサイトなどに出品され、問題視されています。

東京都赤十字血液センターのサイトにも「記念品(グッズ)について、フリマアプリやオークションなどを含めた第三者への転売を禁止させていただきます」と明記されています。記念品の転売は、法律で禁じられている売血につながるとの考え方からのようですね。