愛車ランクル盗難の三原じゅん子議員は「ショック以外ない」 量刑厳罰化求める署名、ヤード法制定に理解

AI要約

自動車盗難を減らそうとする団体が岸田首相に要望書を提出

要望書では量刑の厳罰化や外国人犯罪者への厳しい措置が求められている

元レーシングドライバーの三原氏の愛車盗難事件も取り上げられている

愛車ランクル盗難の三原じゅん子議員は「ショック以外ない」 量刑厳罰化求める署名、ヤード法制定に理解

 全国で多発する自動車盗難を少しでも減らそうと、「車両盗難を厳罰化にする会」が5日、東京・永田町の岸田文雄首相の国会事務所など5か所を訪れ、3万9240筆の署名と要望書を手渡した。このうち4月に自宅駐車場で愛車ランドクルーザー200を盗難された参院議員の三原じゅん子事務所は、1時間にわたり熱心に応対。また自民党本部では、超党派による議員連盟の設立の声も上がるなど、“変化”の兆しも見えてきた。

「車両盗難を厳罰化にする会」は2022年2月からインターネット上で署名活動を開始。同12月には、国民民主党の協力で、関係する6省庁に署名を提出していた。「署名が2万人を超えたら自民党に行きます」と約束し、なおも増え続けていることから、この日の訪問となった。

 要望書には自動車盗難を減らすためのさまざまな施策が盛り込まれている。

 まずは量刑の厳罰化だ。現行の窃盗罪(刑法235条)は万引きにも適用され、罰則が軽いことから抑止力になっていないとの声が根強い。要望書では「基本的には100円の品物を盗んでも、数百万円~1千万円以上の自動車を盗んでも罪の重さは同じです」と指摘。「これでは盗んだものが勝つ社会になってしまいます」と警鐘を鳴らし、組織的犯罪や悪質な場合は、懲役や罰金を引き上げるよう求めている。

 また外国人犯罪者には、「即時退去」と「再入国禁止」を含めた厳しい措置が必要と明記。盗難車両が運び込まれている違法なヤード対策として、認可許可を徹底した上で、不定期な立ち入り検査の即時受け入れ等を規定する「ヤード法」の創設を提言した。コンテナ貨物船の往来情報を関連づけた「盗難注意報アプリの開発」にも触れている。

 最初に向かったのは、岸田首相の事務所だ。「車両盗難を厳罰化にする会」の発起人のKUNさんが「国会の答弁でも、やります、みたいな感じのことを言われていたので、ぜひよろしくお願いします。政策等反することもあると思いますけど、やらないと国民も安心もできない」と伝えると、応対した男性は「サイトは拝見させていただきました。間違いなくお声としてはお預かりさせていただきます」と話した。

 続いては、三原事務所。元レーシングドライバーの三原氏は、今年4月、ネット上に愛車ランクル200の盗難被害を告白。「まさか自分が、、いいえ誰にでも起こり得る被害。皆様くれぐれもお気をつけください」とつづり、大きな話題になっていた。

 本人は不在だったものの、代理の秘書が1時間にわたり、主張に耳を傾ける対応を取った。愛車がまだ戻って来ていないことを明かした上で、三原氏の様子について、「ショック以外ないよね。あるはずの車がなければ誰であろうとびっくりするし、思い入れがあればあるだけ……。現実問題、ほぼ諦めるしかないじゃない」と説明。KUNさんが、量刑の厳罰化ついて「与党の力がないと実現は難しい」と訴えると、「気持ちは痛いほど分かると思いますよ」と三原氏の胸中を代弁した。さらに「ヤードの部分を積極的に取り締まれるような形を作っていくしかない」とヤード法制定に理解を示した。

 警察庁生活安全企画課が7月に発表した「令和6年上半期における車名別盗難台数」によると、ランクルはワースト1位かつ、盗難台数が前年の256台から590台に激増している。三原氏も「リレーアタック」と名づけられた盗難の対策はしていたが、最近の窃盗団は「ゲームボーイ」と呼ばれる器具を使用するなどハイテク化。盗難前、自宅駐車場の防犯カメラはダミーで、「想定が甘かったと言えば甘かった」と事務所は受け止めた。三原氏の自宅周辺では、別の自動車も被害に遭っており、KUNさんは、「外国人とかが『買い取ります』という名刺を車に挟んでいく。あれが物色部隊なんですよ。滞在してていい人なのかも分からない」と声を大にした。