エンディングノートを書いてくれない親にはインタビューがいい!? 意外なアイデアがSNSで「やってみたい!」と話題に

AI要約

エンディングノートを残せない親に代わり、親にインタビューしてみるアイデアが注目を集めています。

カータンさんの提案により、親のささいな好みや思い出を知ることができ、楽しい思い出が生まれました。

親にインタビューをしておくことで、将来の準備やコミュニケーションに役立つかもしれません。

エンディングノートを書いてくれない親にはインタビューがいい!? 意外なアイデアがSNSで「やってみたい!」と話題に

もし老いた親が亡くなったら…。

葬儀に呼ぶ人は誰?

死後の手続きは?

預金や所有の財産は?

漠然とそんなお悩みを抱えている方は少なくないかと思います。「エンディングノート」を残してくれていたらわかりやすいけど、自分の親はそんなタイプじゃないから期待できない…という方もいらっしゃるでしょう。

そんな中、人気ブロガーのカータン(@katan703)さんがSNSで提案したアイデアに注目が集まっています。

「高齢な親にエンディングノートを書いてもらうのではなく、子や孫からインタビューするのがいいと聞いて目からウロコだった話」として投稿されたこのマンガには5千を超える「いいね」が付き、「これはいい!」「お盆に帰省するときにやってみたい」と多くの反響が寄せられています。

このカータンさんの投稿についてご紹介しましょう。

■目からウロコの「親にインタビュー」

「介護未満の段階でできる準備があるんです。おしゃべりできるうちに親のことをたくさんリサーチしておいてください」という認定介護福祉士のさんからのアドバイスをもらったカータンさん。

預金額とか、お墓の話とか…思い当たることはあるものの、キッカケが難しいと感じました。

すると、「それも大事なことですが、まずはこんなことから聞いてみたらどうですか? 好きな色とか嫌いな色、昔好きだった芸能人とか」

確かに、言われてみると親のささいなことって案外知らないかも…と、お姉さんに話すと「面白そう!アイドルのQ&Aみたい。やってみようよ!」と、カータンさん姉妹はさっそく父親にインタビューを行うことになりました。

実際に「好きな食べ物は?」「好きな国は?」「好きなスポーツは何ですか?」と聞いていくと、なんだか違和感が…。父親からは聞いたこともない情報が次々と出てきます。

「怪しい」「パパ、なんかカッコつけてない?」と姉妹で問い詰めると、父親は「だってこれは残るんだろ?ちょっと紳士的な要素をくわえとこうと思って…」とモジモジ。

「偽りの自分残してどーすんの!?」と突っ込まれてからは、素の父に戻って回答していったとのことです。

色々と話を聞くうち、好きな女性のタイプを聞くと母親とは真逆のタイプが出てきて衝撃を受ける場面も…。人生で一番嬉しかったことを尋ねると、「ママと結婚したこと」と素敵な答えが帰ってきますが、姉妹は「2人の娘に恵まれたことじゃないんかーい」と涙。

「好きな花」「好きな本」「座右の銘」「人生の後悔」など娘たちも知らなかった父親の好みや思い出を聞いた後、お墓についての希望、預金や所有する不動産などについても自然と聞くことができました。大事な話もうまく聞くことができて、インタビューは思っていたよりも楽しかったそうです。

最後に「もし過去の自分に戻るとしたらいつの時代の自分に何を伝えたい?」とカータンさんのお姉さんは尋ねました。カータンさんは「家庭を顧みない仕事人間だった父だから、きっと『家族を大切にしろ』と過去の自分に言うだろう」と想像します。

しかし、父親から帰ってきた答えは「大学を卒業した日の自分に『よく頑張ったね、卒業おめでとう』と伝えたい」とのこと…。「自分への労いかい!」と思わずズッコケますが、後からそれを思い出して姉妹で大笑いするなど、とてもいい思い出になったそうです。

この投稿について、作者のカータンさんにお話を伺いました!

■親のことをもっと知りたいという気持ちを素直に伝えて

──「エンディングノートを親に書いてもらう」ではなく、「親にインタビューをする」というのはとても素敵なアイデアだと思いました。実際に親にインタビューしてみて感じたこと、良かったことを教えて下さい。

カータンさん:父の子どもの頃の話など、ざっくり聞いたことはありましたが、改めてインタビューしてみると、今まで身近にいても知らなかった新たなエピソードがたくさん聞けて楽しかったです。また、父が亡くなった今読み返すと、インタビューした日の情景が浮かんできて、そんな時間も私の良い思い出になりました。ぜひ皆さん、聞けることは今のうちに聞いておいてください。

──この投稿はX(Twitter)でも多くの共感を呼んでいました。引用リポストも100件以上ついていましたが、この反響についてどう思われましたか? また読者からのコメントで印象に残っているものがあれば教えて下さい。

カータンさん:親に書いておいてもらうエンディングノートではなく、親に直接インタビューするという発想に反響があったように思います。私も認定介護福祉士の松川さんのアドバイスがなければ、思いつきませんでした。「今年の夏、お盆に帰ってやってみたい」というコメントが多かったです。帰省時、親の思い出話を聞きながら、家族で盛り上がっていただけたら嬉しいです。

──実際にインタビューしてみたいけど「きっかけがつかめない…」「ちょっと気恥ずかしい…」という方もいらっしゃるかもしれません。何かアドバイスをいただけますか?

カータンさん:親も知ってる友達の名前を挙げて、「◯◯ちゃんも親子でやってみてすごく面白かったんだって!」とか、身近な人もやってみたというようなことを言ってみるとか? (笑)

でも、やっぱり一番は、親のことをもっと知りたいという気持ちを素直に伝えてみるのがいいかもしれません。きっかけがつかめたら、トーク番組の司会者になった気分で、一緒に笑ったり、話をさらに引き出してあげたり、気持ちを乗せてあげることも大切だと思います。うまくいくことを願ってます。

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終末医療のこと、預金や不動産のこと、葬儀やお墓のこと、連絡してほしい人のこと…。親が倒れた時などにあわてないために、しっかりコミュニケーションが取れるうちに確認しておきたいですよね。お盆の里帰りのタイミングは、インタビューに絶好のチャンスです。親の意外な一面を知ることができるかも? そして、親へのインタビューを書き留めたノートは、子どもにとっても素敵な宝物になるかもしれません。

取材・文=レタスユキ