我が子に「体毛が生えてきたらどうすればいいの?」…意外と知らない「男の子のための性教育」に専門家が答える

AI要約

男の子の思春期における体毛の変化や役割について詳細に解説されています。体毛は人間にとって必要なものであり、皮膚を保護したり、温度調節をしたりする役割があることが説明されています。

体毛のケア方法や注意点も紹介されており、カミソリや電気シェーバーを使ったケアが推奨されています。また、刃の交換や清潔な状態の維持についても具体的なアドバイスが記載されています。

さらに、思春期に起こる体毛の変化は個人差があり、体毛が濃くなるのは正常な発育であるということが強調されています。恥ずかしがる必要はなく、自分の体に合ったケアをすることが大切です。

我が子に「体毛が生えてきたらどうすればいいの?」…意外と知らない「男の子のための性教育」に専門家が答える

男の子の「気になっているけれど、面と向かっては聞きづらいこと」、パパママの「どうやって伝えたらいいかわからないこと」に、産婦人科医のサッコ先生こと高橋幸子先生がこたえます!

全国の小中高生に向けて年間180回以上の性教育の講演を行っているサッコ先生。思春期におとずれる男の子の体と心の変化について、サッコ先生の最新刊『12歳までに知っておきたい男の子のためのおうちでできる性教育』から紹介します。

正しい知識を学ぶことで、不安ごとを減らしましょう。保護者の方も性教育の知識を本書でアップデートしてください。

思春期に起こる体の変化のうち、見た目にわかりやすいもののひとつが「毛が生える」ことです。ホルモンの影響で男性は体毛が濃くなりやすく、顔や手足、わきの下、性器のまわり、胸・おなか・おしり・背中などいろいろな部分に毛が生えたり、毛が濃くなったりします。

「体の毛について話すのは恥ずかしい」「できるだけ隠したい」という声も聞かれます。思春期のことを英語で「puberty(ピューバティ)」といいますが、これは「毛が生えるころ」という意味。思春期に毛が目立つようになるのは、正常な発育なのです。

ただし、毛の太さや量は個人差があり、全身にしっかり生える人もいれば、ほとんど生えない人もいます。

なぜ毛が生えるのかといえば、毛が人間にとって必要なものだから。それぞれの体毛には、それぞれの役割があります。

Q:体毛はムダなもの?

――A:まつ毛や眉毛は目を守っているし、わきの下の毛は皮膚を汗や摩擦から守る、性器やおしりのまわりの毛周辺や粘膜を守る役割が。

Q:切らないと伸び続ける?

――A:髪の毛以外の毛のサイクルは短く、放っておいても一定期間しか伸び続けません。

Q:腕やすねの毛は処理しなきゃいけないの?

――A:そのままでもいいし、気になるならきちんとケアするのもよいでしょう。恥ずかしがる必要はない、というのは覚えておいて。

Q:他の動物は毛でおおわれているのに人は違うの?

――A:人間の先祖は毛でおおわれていたといわれています。住む場所が変わったり、毛皮を服がわりにするようになるなどして、体の毛は減っていったという説も。

たとえばわきの下の毛は、皮膚を汗や摩擦から保護する役割が。性器やおしりのまわりの毛は、その周辺や粘膜を守る役割があります。

ひげの役割についてはいくつか説がありますが、「外部からの衝撃やほこりなどから守るため」「温度調節をするため」といった説が有力です。

ちなみに、髪の毛だけが特に多いのは、「暑さ、寒さ、紫外線、衝撃などから頭を守るため」などと考えられています。

とはいえ、もし体毛が気になるようであれば、自分でケアすることもできます。

ワックス、脱毛クリーム、レーザー脱毛など方法はいろいろありますが、自宅で行うには「カミソリ(剃る部分に合った肌専用のもの)」や「電気シェーバー」を使ったケアがおすすめです。

シェービングクリームやジェルで肌を保護したうえで、しっかり剃るには「カミソリ」、肌に優しくけがをしにくいことを優先するなら「電気シェーバー」と、それぞれ特徴があります。

使うときは、カミソリの刃の部分を触ったり落としたりしないよう、注意してください。けがを防ぐためにも、最初は大人といっしょに使うとよいですね。

また、使った後は水洗いして自然乾燥させ、湿気の少ない場所で保管します。清潔な状態を保ったり肌を傷つけないためにも、刃は定期的に交換するようにしましょう。また、カミソリは家族と共有しないよう注意しましょう。

【ONE POINT】

・思春期になると、性器のまわりやわきの下に毛が生えたり、顔・足・腕などの毛が濃くなったりする

・体毛には体を守る役割がある

・体毛はカミソリなどでケアできる。けがを防ぐためにも、最初は大人といっしょに

つづく<我が子の声変わりの最中「やってはいけない」3つのこと…専門家が教える、12歳までに知っておきたい「男の子のための性教育」>でも、サッコ先生による12歳までに伝えたい性教育について解説します。