20代にも急増中! 髪が白くなるのは一体なぜ? 白髪のメカニズムを米専門医が解説

AI要約

白髪の原因は加齢や遺伝子、健康状態、ストレスなど様々な要因によるものである。

白髪はメラニン色素が不足することで起こり、年齢とともにメラニン生成能力が低下し、白髪が増える。

早発の白髪は遺伝的な要因や健康状態に影響されるが、一度白髪になった場合、元に戻すことは難しい。

20代にも急増中! 髪が白くなるのは一体なぜ? 白髪のメカニズムを米専門医が解説

初めて自分の白髪に気づいた人も、髪の色を気にしないという人も、「なぜ白髪になるのだろう」と疑問に思ったことはあるのでは。

ストレスが白髪の原因になるという説は昔から言われるもので、最近の研究によると、ストレスと白髪の間に関連性があることもわかってきたそう。とはいえ、白髪の原因は他にもたくさんあり、加齢や遺伝子、ビタミン欠乏症や脱毛症などの健康状態も関係している可能性があるとのこと。

なぜ白髪になるのか、白髪が増える原因は何か、白髪を元に戻すことは可能か、皮膚科医の解説をご紹介。

「白髪交じりのグレーヘアは、肌や髪に色を与えるメラニン色素が少なくなっている状態です」と話すのは、皮膚科医のアザデ・シラジ博士。

「真っ白な白髪は、髪が完全にメラニンを失った状態です。 加齢に伴い、メラニンを生成する幹細胞の数は徐々に減少していきます。幹細胞がダメージを受けたり、働きが弱くなったり、働き続けるための補助的なシステムを失ってしまうためです」

遺伝子による働きも関係するそうで、「加齢に伴い、細胞がメラニンを生成する働きは弱くなります。それにより、メラニンの減少による白髪交じりの髪や、メラニンの欠如した白髪になるのです」と話すのは、カリフォルニア州ロマリンダ大学教授で皮膚科医のジェニン・ルーク博士。

「若白髪と呼ばれるような、20代や30代で起こる白髪も、遺伝子の影響で起こる白髪です。ただ、髪の成長と色素形成は、複数の遺伝子と細胞シグナル伝達分子が関与する複雑なプロセスであり、その中で何らかの障害が生じると、白髪につながる可能性があります」

皮膚科医のマリサ・ガーシック医学博士によると、頭皮や毛球も一因になるそう。

「加齢とともに毛球部に過酸化水素が蓄積され、色素生成細胞を破壊し、メラニンの減少や白髪の原因となる可能性があります」

基本的には、年齢を重ねるにつれて細胞が作り出すメラニンが減少し、白髪になると考えられている。しかし、想定されているよりずっと早く白髪になる場合、例えば20歳で白髪が見られるようなケースでは、別の問題を抱えている可能性もあるそう。

ガーシック博士によれば、早発の白髪は遺伝的なものと考えられており、「メラニン生成を制御するのに役立つ、インターフェロン制御因子4(IRF4)と呼ばれる特定の遺伝子に関係している可能性が考えられます」

その他にも、白髪になる可能性があるとされる健康状態も数多く存在するそう。

残念ながら、通常の老化現象と同じく、白髪を止めたり元に戻すことはできない、とルーク博士。

「ただし、喫煙や栄養不足など、白髪になりやすくなる生活習慣がある場合は、禁煙や、髪の色素形成に関わる栄養素の摂取、抗酸化物質を含む健康的な食事を心がけるなど、ライフスタイルの改善を試みることができます」

シラジ博士によると、将来的には、白髪に対して何らかの選択肢が生まれるかもしれないとのこと。

「幹細胞を刺激することで、色素を作り出す細胞を再び活性化させ、白髪を元に戻すことができるという新しい研究があります。将来的には何らかの可能性が期待できるのではないかと考えています」