【闘病】ステージ4の「下咽頭がん」でも声帯は残したかった… 役者生命もかけて

AI要約

役者・アーティストの中村拓さんが、2020年にステージ4の下咽頭がんであることが判明。手術を受け、声帯を残しつつ腫瘍部分を切除する選択をする。

再発を経ても声を残すことに成功。経緯や思いを語る。

告知や治療法、セカンドオピニオンの経験も述べる。

【闘病】ステージ4の「下咽頭がん」でも声帯は残したかった… 役者生命もかけて

役者・アーティストとしても活躍されている中村拓さんは、2020年、ステージ4の下咽頭がんであることが判明しました。喉頭を全摘出するしか助かる方法はないと言われる中、サードオピニオンを受けて声帯を残したまま腫瘍部分のみ切除する手術に踏み切りました。

手術の結果、声を残すことに成功しましたが、2度の再発。現時点での再発や転移はないそうです。「どうしても声を残したかった」という中村さんに、これまでの経験や声への想いなど詳しく話してもらいました。

[この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]

編集部:

病気が判明した経緯について教えてください。

中村さん:

2020年10月、喉にちょっとした違和感がありました。喉の奥に痰が絡みついて膜が張っているような感じです。

最初は家の近くの耳鼻咽喉科を受診したのですが、そこですぐに大学病院へ行くよう言われ、大学病院でさまざまな検査をして、この時点でステージ3の下咽頭がんだということがわかりました。

編集部:

自覚症状などはあったのでしょうか?

中村さん:

痰が絡みつくような感じだけで、特に痛みもなく声も普通に出ていました。でも、食べたあとに吐きそうになることが時々あって、そのときは食べ過ぎか飲み過ぎだと思って胃腸薬を飲んでいたのです。

今思えば、喉に腫瘍があって食べづらかったことが原因だったのでしょう。

編集部:

どのように告知されたのでしょうか?

中村さん:

最初に大学病院でいろいろな検査をしました。検査の結果、もし良性の腫瘍だったらがんではないが、悪性だったらがんだと言われ、良性であることを祈りました。

検査結果が出る日、病院の待合室で予約時間を過ぎても全然名前を呼ばれず、だんだん嫌な予感がしてきました。結局、ほかの患者さんが全員帰ったあとに、最後に一人だけ呼ばれ、そこでがんだと告げられました。

編集部:

どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか?

中村さん:

がんがかなり進行しているため、放射線治療や化学療法では治らないだろう、手術で喉頭を全摘出するのが最善の方法だと言われました。

編集部:

セカンドオピニオンは受けられたのでしょうか?

中村さん:

受けました。喉頭を全摘出するというのは、声を失うことになります。それがどうしても嫌で、セカンドオピニオンを受けました。しかし、そこで私のがんはもっと進行していて、ステージ4だということがわかったのです。

左右のリンパ節にもがんが転移していることが分かり、やはり喉頭を全摘出するしか助かる方法はないと言われました。